• HOME
  • 今週の一言
  • 浦部法穂の憲法雑記帳
  • 憲法関連論文・書籍情報
  • シネマde憲法
  • 憲法をめぐる動向
  • 事務局からのご案内
  • 研究所紹介
  • 賛助会員募集
  • プライバシーポリシー
憲法関連論文・書籍情報
書籍『忘れない、許さない!安倍政権の事件・疑惑総決算とその終焉』
K.S

 8月28日、7年8か月続いた安倍政権が終焉を迎えました。この間、立憲主義と民意を蹂躙した「解釈改憲」・「立法改憲」、「森友・加計学園」問題、「桜を見る会」、河合克行議員・案里議員夫妻「買収」事件、黒川検事長の定年延長…正常な民主主義国家では起こりえない異常な事件・疑惑・不祥事が多発しました。説明責任を放棄したまま憲政史上最長の政権となったのは、「民意を歪曲し過剰代表を生み出す」選挙制度と投票率の低さゆえでしょう。
 本書の著者は「政治とカネ」のスペシャリストで「政治資金オンブズマン」の上脇博之氏。圧倒的な情報収集力と行動力で「森友学園」が報道され始めた際には情報公開訴訟を提訴し、前法務大臣・河合克行議員・案里議員夫妻「買収」事件や「桜を見る会」・「前夜祭」事件でも刑事告発の告発状を提出するなどして、安倍政権を揺さぶり続けてきました。9月28日には、通称アベノマスクの発注単価と枚数の情報開示を求める訴訟を提起しました。また見積もり単価が「143円(税込み)」となっていたことが判明して話題となりました。
 本書では、安倍政権下で起こった事件・疑惑を総括し、事件・疑惑の温床となった安倍自民党・安倍政権の「嘘」「隠蔽」「不公正」といった政治体質、さらにその根本原因を詳らかにしています。菅政権も同様の体質を引き継ぐと危惧されますが、著者らは今後も安倍政権が生み出した体質そのものの終焉に向け、真相解明を続けるそうです。是非とも多くの方々に本書を読んでいただき、それぞれの「政治を変える」行動につなげていただきたいと思います。
 第1章では、財務省の学校法人「森友学園」国有地財政法違反売り払い事件・公文書改竄・破棄事件を素材に、安倍政権の「お友達」行政と公文書改竄・破棄事件を明らかにしています。著者らの訴訟の経緯や成果についてもまとめられています。
 第2章では、「桜を見る会」背任事件・招待者名簿破棄事件および「前夜祭」政治資金規正法違反・公職選挙法違反事件を素材に、安倍前首相の公金の私物化と裏金の問題が明らかにされています。
 第3章では、元法務大臣河合克行・案里議員夫妻「買収」1億5000万円事件を素材に、自民党本部主導選挙と使途不明金の問題を明らかにしています。「カネ」の流れをたどって見えてくる金権政治の実態、政治資金(実質税金)が使途不明金(ポケットマネーまたは政治や選挙の裏金)となっていることが明らかにされています。
 第4章では、国家公務員法の「特例規定」を根拠になされた黒川検事長定年延長の閣議決定の違法性、黒川氏の正体、定年延長の閣議決定により著者らが行った安倍前首相の「背任罪」の告発が受理されなかったことなどから政治的な検察官人事の問題が明らかにされています。
 第5章では、安倍政権の隠蔽体質、議会制民主主義否定の官邸主導政治、無責任体制と議院内閣制の機能不全、臨時国会召集拒否による議会制民主主義の実質否定、安倍政権の政治体質とその裏にある保守層の安倍自民離れについて論じられています。
 終章では、コロナ禍対応と支持率の低下や国民の反対運動の成果であるイージス・アショア導入中止・検察庁法改悪断念、真相解明と使途不明金をなくす法律改正の必要性などが語られています。

【書籍情報】2020年9月、かもがわ出版より発行。著者は上脇博之・神戸学院大学教授。定価は1900円+税。

【関連HP:今週の一言・書籍・論文】

今週の一言
『いまこそ 野党連合政権を! ~真実とやさしさ、そして希望の政治を』
上脇博之さん(神戸学院大学法学部教授)

関連書籍
『追及!安倍自民党・内閣と小池都知事の「政治とカネ」疑惑』(日本機関紙出版センター)
『告発! 政治とカネ』(かもがわ出版)
『誰も言わない 政党助成金の闇―「政治とカネ」の本質に迫る』(日本機関紙出版センター)


バックナンバー
バックナンバー

〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町17-5
TEL:03-5489-2153 Mail:info@jicl.jp
Copyright© Japan Institute of Constitutional Law. All rights reserved.
プライバシーポリシー