日本国憲法24条の男女平等の規定は戦前までの日本社会を大きく変えました。その規定の原案をGHQのベアテ・シロタ・ゴードンさんが書いたのは有名な話です。その時の彼女の問題意識とともに、彼女がそのような問題意識を持つに至った人生の推移と社会状況を明らかにする本です。この本には彼女のお父さんの人生とその推移も綴られており、当時の国際情勢もわかります。
ベアテさんが22歳という若さで日本国憲法の原案の作成に関わることになったのは、彼女の旺盛な好奇心や理想を求める気持ち、あるいは積極性、そして努力あってのことでした。彼女のそれまでの人生、その後の人生と思いから、それがわかる気がします。男女平等や人権の重要性を語り広げた、その人間力ともいうべきものも学ぶことができます。
【書籍情報】
2014年1月、岩波書店から岩波ブックレットとして刊行。著者はナスリーン・アジミさん(国連訓練調査研究所(UNITAR)特別上級顧問、および、グリーン・レガシー・ヒロシマ・イニシアティブ共同創設者)とミッシェル・ワッセルマンさん(立命館大学国際関係学部教授)、小泉直子さん(通訳・翻訳者)。定価は本体560円+税。
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