「通販生活」2009年春号が自衛隊海外派遣「恒久法」制定を検証する特集を組み、8人の論者の意見が掲載されました。元国連事務次長の明石康氏、自民党参議院議員で元イラク派遣隊長の佐藤正久氏などが「恒久法」制定の必要性を述べ、法学館憲法研究所客員研究員でもある水島朝穂教授(早大)などが制定に反対する意見を述べています。
水島教授は、「国際貢献」という美名のもとで海外派遣が進められている、政府はこれまで「専守防衛」を旨とすることで自衛隊の合憲性をギリギリ担保してきたが、自衛隊の海外派遣はこの政府の立場からも踏み出るものである、などとし、「恒久法」制定の問題点を解明しています。そして、日本の国際協力は憲法9条を前提に非軍事的なものでなければならず、日本が「非軍事」というメッセージを出し続ける重要性を説いています。
ソマリア沖への自衛隊の派遣が決定され、海賊対策のための自衛隊派遣の法律が検討されようという時期に、あらためて自衛隊というものとその海外への派遣の問題点について理解を深める必要があるでしょう。「通販生活」に掲載された「恒久法」制定賛成論も見ながら、自分なりの考えを整理したいものです。
*「国際貢献」論・自衛隊海外派遣に関わる憲法関連書籍や文献、水島教授の著書・論文は当サイト「憲法文献データベース」で検索できますので、ご案内します。
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