自民党は、なぜ憲法の解釈をねじ曲げて、日本を戦争ができる国にしたいのか? なぜ辺野古基地建設を強行し、なぜ戦争するための法案を強行するのか? そのことを考える手がかりの一つがこの映画にあると思います。それは、戦争を必要とするアメリカの経済であり、戦争によって人のいのちを食い物にしている軍産複合体です。 その歩みは、世界の戦後史そのものであり、日米関係そのものであり、また戦争や基地に反対する市民運動の歩みでもありました。そうした構造を明らかにすることによって「このままではいけない」という声をあげ、変えていかなくてはならない。いまそれが一つの山を迎えようとしています。 この映画は、イタリアで2007年に起きた、米軍基地拡大への反対運動をきっかけに、イタリアの若手監督2人がその謎をさぐる旅に出て制作したドキュメンタリー作品です。主な取材先はビチェンツァ (イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間(日本・沖縄)。 基地の騒音や兵士が起こす事件や事故に苦しむ住民と専門家への取材を通じ、あまりに横暴な米軍と膨らみ続ける軍産複合体の真実を明らかにしてゆきます。 そこには、戦争しなければ成り立たないアメリカの経済、アメリカ人兵士を含めそれによって殺され、奪われていく人々のいのちと生活、それらの積み重ねであった戦後の歴史と、現在、未来が見えてきて何とかしなければならないという気持ちにさせます。 【映画情報】 監督:エンリコ・バレンティ、トーマス・ファツィ 撮影:エンリコ・バレンティ 編集:デジデーリア・ライネル、 音楽:スティファン・ヒロ、 出演:ゴア・ヴィダル、ノーム・チョムスキー、チャルマーズ・ジョンソン 2010年制作・イタリア 上映時間:74分 【上映情報】 「憲法を考える映画の会」 日時:9月15日(日)13:30〜16:30 会場:東京体育館 第4会議室(総武線千駄ヶ谷駅・地下鉄大江戸線国立競技場駅2分) 参加費:一般1000円 学生600円 主催:憲法を考える映画の会 〒185-0024 国分寺市泉町3-5-6-303花崎気付 ■ホームページ:http://kenpou-eiga.com ■Facebook : 憲法を考える映画の会 ■メール : hanasaki33@me.com
<「シネマDE憲法」関連情報>
・「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)