1970年代のアメリカ映画。黒人探偵シャフトがニューヨークの街で活躍する。かのクエンティン・タランティーノが絶賛した映画である。小気味いいテンポで進むアクションもので、そのセリフ回しも、思わずクスッと笑ってしまう。
冒頭のシャフトと白人警部補との会話で黒人居住区でのゴタゴタについて聞かれ、シャフトの返しが、「白人には調べるのは無理だね」。そして立ち去る前に行く先を聞かれ、「女のベットさ」。日本で言うと、松田優作が演じた探偵物語と同様の味がある会話だと思う。ファッションや音楽にもスタイリッシュなこだわりを感じる。
この映画を見て感じたことは、40年以上経った今でも、黒人差別が無くなっていない現実だ。シャフトがタクシーを止めようとするシーン。一度は止まったタクシーが、黒人であることを察して乗車拒否し、すぐ先で白人を乗せる。
現在、アメリカでは白人警官による黒人への暴力に関する訴訟がいくつも起こされている。そのうち2つは、連続で警官に対して不起訴の判断がくだされた。オバマ氏が大統領に就任して6年。黒人差別を根絶することは難しいのだろうか。
アメリカの憲法でも、日本国憲法でも、万民は平等の権利を有しているとされている。それでも根強いグループ間差別意識は存在する。例えば人種、例えば国籍、例えば宗教。差別と貧困が紛争や暴力を誘発することは間違いないだろう。まず、個々人の意識改革から始めるべきだと強く感じた。
【映画情報】
製作国 アメリカ
公開 1971年7月2日
上映時間 101分
監督 ゴードン・パークス
脚本 アーネスト・タイディマン、ジョン・D・F・ブラック
出演者 リチャード・ラウンドトゥリー、モーゼス・ガン、チャールズ・シオッフィ、ほか
音楽 アイザック・ヘイズ
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