1960年代末、政府の施策に反対する学生たちの運動の中で暴力に訴える過激派の影響力が強まりました。過激派の主張と闘争、そしてそれにシンパシーを感じ、その行動を報じようとする新人記者の心の葛藤を描く映画です。
この作品の意図を製作者や監督がどう考えたかは置くとして、当時のことが適切に語り継がれることは重要だと思います。当時学生だった人たちの多くは運動の当事者だったり、いろいろな関わり方をしています。したがって、当時のことを誰もが納得できるように語ることには不可能ではないでしょうか。もちろん、当時の学生たちが暴力を用いたことは許されざることでしょうが、彼ら彼女らが政治の現状を憂い、それに立ち向かったこと自体は評価されるべきではないかと思われます。国民が政治を主体的に考え、必要な行動をすることは憲法が予定するところですから。
【映画情報】
製作年度:2011年
上映時間:141分
監督:山下敦弘
出演:妻夫木聡、松山ケンイチ、忽那汐里、ほか
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