2012年に亡くなった映画評論家・山田和夫さんの業績を振り返り、明らかにする論文です。法学館憲法研究所がドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」の製作協力にたずさわった際、山田さんはそのWEBサイトに「映画は憲法をどのように映してきたか」という論稿を寄せてくださいました。 平野喜一郎・三重大名誉教授(経済学)によるこの論文は、山田さんの映画論を辿りながらも、反戦・平和の視点で日本の映画をめぐる歴史、日本の映画評をめぐる状況とその問題点などを明らかにしています。映画は、おもしろさ、わかりやすさを大事にしながらも、科学的歴史観・世界観にもとづくテーマと描写が重要であることなどを述べています。それはこんにちの日本国憲法へのスタンスとも大きく関わると思われます。 お薦めの作品も紹介されていて、参考になります。 この論文は雑誌「季論21」2014年冬号(本の泉社)が組んだ特集「映画を語る」に収載されています。