日本人自らが主体的に憲法をつくり、民族の伝統を受け継いでいくべき、「憲法改正」を主張する政治家を首相にすべき、と元自衛隊員たちがクーデターを開始。夜行列車を乗っ取り、乗客・乗員を人質に要求を主張。緊迫するシーンが続く・・・。
そんな展開の映画です。「憲法改正」には消極的な首相と「憲法改正」に積極的な政権党内の最大派閥の駆け引き、クーデター首謀者に対するその妻の微妙な心の動きと決断、クーデターの途中で反旗を翻す者の出現、等々も目を離せません。
現実社会においても、長く政権を担当する自民党内には「憲法改正」についての積極派と消極派がおり、その攻防がリアルに理解できるものとなっています。
基本的には「憲法改正」に批判的な視点で描かれた作品ですが、「憲法改正」論の思想とそれが生まれる社会状況を知っておく上でも有益な映画、ともいえるでしょう。否、「憲法改正」論が新たに台頭しているいまこそ観ておきたい映画です。
【映画情報】
製作年:1978年。
上映時間:140分。
監督:山本薩夫。
出演:渡瀬恒彦、吉永小百合、高橋悦史、山本圭、ほか。
<法学館憲法研究所事務局から>
衆院選で自民党が勝利し、改憲への動きが強まろうとしている中で、当研究所も製作にあたったDVD「STOP戦争への道」が各地の小集会や学習会で上映されています。多くの人々と今般の改憲の動きの問題点や危険性を語り合っていきたいと思います。 |