日本から独立した朝鮮は、アメリカ、ソ連の思惑の中で、南北に分断されることになり、やがて朝鮮戦争が勃発しました。北朝鮮軍が韓国を制圧しようとする間際、韓国軍の学徒兵の部隊の奮戦が北朝鮮軍の侵攻を遅らせ、やがて韓国軍の反転攻勢に向かうことになりました。その学徒兵の部隊を描いた韓国映画です。実際の歴史にもとづいて構成された作品です。
いまなお、民族が分断され、南北の緊張関係が続く朝鮮半島。北朝鮮軍と果敢に戦った若者たちが称えられることで、北朝鮮に毅然と対峙する意識を鼓舞される韓国人もいることでしょう。韓国にはそのような社会状況があるのでしょう。
第二次大戦後、アメリカは韓国を反共の軍事国家とし、一方で日本を非武装国家にするという戦略をとりました。日本は戦後、憲法9条のもとで、曲がりなりにも戦争放棄・戦力不保持を維持してきましたが、その背景には、アメリカの戦略を韓国が担っていたという面もあると思われます。戦後の日本社会を、韓国社会の成り立ちとその歴史との関連でも考えてみる必要もあると、映画を観て感じました。
【映画情報】
製作年:2010年
上映時間:121分
監督:イ・ジェハン
出演:チェ・スンヒョン、クォン・サンウ、チャ・スンウォン、ほか
<法学館憲法研究所事務局から>
当研究所は5月27日(月)に、権赫泰先生講演会「日本の改憲問題と日韓関係」を開催します。権赫泰先生には、日本と韓国、その関係の現代史を追っていただきながら、今般の日本の改憲問題を韓国の視点から問題提起していただく予定です。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。 |