敗戦濃厚と日本軍のトップ5人が密かに判断した。そして、奪った米軍マッカーサーの財宝を戦後復興のために秘匿するよう部下に指示した。その作業には動員した女生徒20人にあたらせた。財宝ではなく米軍を迎え撃つ弾薬だと思い込まされて作業し終えた彼女らは・・・。
話はこのように展開していきます。
"お国のために"と作業に励む女生徒たちでしたが、戦争への疑問を表明する女生徒もいました。「上官」の命令に背きながら、生き残った女生徒の命を守る将校もいました。そんな場面もあります。こんにちの社会では戦争と軍隊は否定され、人の命と思想・表現の自由を大事にされるべきこととされますが、そのことを主張することは戦時中においては至難なことだったことでしょう。そのような人たちがいたことは語り継がれるべきことと思いました。
かつての日本の戦争についての小説や映画は、そのバカバカしさや愚かさを明らかにして平和主義の重要性を説くものと、それを「自虐的に」描くのではなく、むしろ日本国の誇りのためにたたかった人々の姿を讃えるものに、大きく分かれるように思われます。もちろん単純な色分けをすべきでないでしょう。この映画を観て、小説を読む側・映画を観る側が、日本の戦争とその後にできた平和憲法の価値をよく見極めることが肝心だということを改めて強く感じました。
【映画情報】
製作年:2011年
上映時間:134分
監督:佐々部清
出演:堺雅人、中村獅童、福士誠治、ほか
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