東北の漁村に原発がつくられた。原発を受け入れたことから村には様々なお金が配られるようになった。原発に異を唱える人々には様々なアメが用意され、あるいはムチに打たれる。もはや原発と共存していくしかないという立場の人と原発のやり方に何とか抗したいという人との関係がギクシャクしていく。同じ家族の中でも対立が起こる・・・。
その生々しい実態をあぶり出す映画です。
経済的に苦しい地域ならば受け入れるだろうと、電力会社や政治家たちが次々と原発を増やしてきました。これまで国民はそんな政治家を選んできました、あるいは選ぶことを余儀なくされてきました。東日本大震災による福島第一原発事故によって、いま多くの国民が政府の原発政策に異を唱えるようになってきています。国民主権、議会制民主主義などを日本国憲法によって手にしている国民がこれまでの政治を見つめなおし、まさに国民本位の政治を築いていく時期になっていることを、映画を観て、あらためて感じました。
【映画情報】
製作年:1978年
上映時間:約106分
原作:田原総一朗(筑摩書房・刊)
監督:黒木和雄
出演:原田芳雄、山口小夜子、風吹ジュン、ほか
<法学館憲法研究所事務局から>
11月4日(日)、「政治と憲法 − 選挙制度・政党のあり方」と題して森英樹氏(名古屋大名誉教授)が講演し、当研究所の浦部法穂顧問(=神戸大学名誉教授)と対談します。こちら。こんにちの政治をめぐる問題状況を憲法の視点で深く考える場になります。多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。
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