アメリカでカップラーメン製造会社を再生させるビジネスマンの物語です。
主人公のビジネスマンは、美味しいラーメンを作るための材料を仕入れるため精魂込めて取引を成立させ、会社を再生させます。しかし、部下にはめられ窮地に。でも、その誠実さを社長から評価され、次の会社の危機を回避するため再び渡米し・・・。そんな展開です。
こんにちのビジネスをめぐる問題状況を考えさせてくれる映画です。他社との競争に勝つためにはより消費者のニーズをとらえた商品を製造しなければなりませんが、同時に会社の諸経費の節減にもつとめ、状況によってはリストラを敢行することにもなります。会社が大きくなっていくと周りからの陰謀に見舞われることもあります。この映画でも、アメリカ社会の貧困層の不満を利用した投資銀行の策謀がありました。
この映画の主人公は部下にはめられたのですが、部下の行為は投資銀行に唆(そそのか)されてのことでした。"アメリカは自由な国だと言われるが、実際には貧富の格差が固定化されていて、頑張っても報われない、決して自由ではない社会だ"というようなことを部下が叫ぶシーンには迫力がありました。
経済のグローバル化の中で、企業の生き残りのために労働者の雇用・生活の悪化が急速に進んでいます。この映画を観たうえで、こうした状況を変えていくことを語り広げていきたいと思いました。
製作年:2005年。
上映時間:114分。
監督:細野辰興
出演:中井貴一、大塚寧々、長谷川初範
* こんにち企業の生き残り競争はますます激化し、働く者の雇用と生活の厳しさはより深刻化しているのではないでしょうか。一人ひとりの生活の改善のために憲法はどのような役割を果たしているのか、どう活用するのか、など、近く開講する連続講座「生活と憲法」(5/19(土)から東京にて。全5回)で学び語り合いたいものです。 |