3.11東日本大震災によって福島第一原発事故が発生しました。放射能が漏れ、半径20Km以内の住民に避難命令が出され、そこは立入禁止区域となりました。双葉町もその区域内です。
当然多くの住民はなんとか自宅に帰りたいと思います。放射線量は地域によってバラつきがあり、半径20Kmという画一的な基準に不満を持つ人がいます。一方で、行政側が放射能の危険性を説き、もはや自宅には帰れないと観念する人もいます。いずれも正直な気持ちです。こうしてそこに住む人たちの要求が錯綜する状況が生まれています。
この映画は立入禁止区域に突入していって、避難を強いられた人々の要求や本音を聞き出していった記録映像です。「個人の尊重」を最大の価値とする憲法の規定と理念にもとづき、いま、苦しい思いをされている一人ひとりに目が向けられ、支援の手が差し伸べられるべきです。この作品を観ながら、主権者国民一人ひとりが何をすべきか、何ができるのかを、あらためて考え、語り合い、行動していきたいものです。
【映画情報】
製作年:2012年2月28日
監督:佐藤武光
ナレーション:市原悦子
上映時間:99分
2012年3月17日(土)、渋谷アップリンクにて公開。
<プレミア上映会>
日時:3月11日(日)18:30開場/19:00開演(上映後トークショー)
渋谷アップリンクにて。
トーク出演:佐藤武光監督、地元双葉町の人々(予定)
料金:一般¥1500/学生¥1300/シニア¥1000/UPLINK会員¥1000)
*詳しくはこちら。
<法学館憲法研究所事務局から>
当研究所は2011年11月23日、シンポ「震災と憲法」を開催しました。そこで憲法学者の浦部法穂顧問は、まずは被災地の被災者の方々の要求を受け止めることが大切、ということなどを説く講演をし、参加者に感銘を与えました。その講演録は「法学館憲法研究所報」第6号に収載しています。 |