チェルノブイリ原発事故(1986年)の発生をふまえてつくられたドキュメンタリー映画で、原発のあり方とその存在を問い返す作品です。
安全な原発をつくらなければならないという自覚と誇りを持って原発づくりに従事していた労働者が52歳の若さで亡くなりました。その娘さんは、父親の死は原発づくりにあたっての放射能汚染によるものではないかと思い、新聞に胸の内を投書しました。一方、原発そのものに反対することは原発づくりに誇りを持っていた父親の考え方を真っ向から否定することになるのではないか、との思いにも駆られます。
そのような様子を描くこの作品は、原発政策についての製作者の考えを唱えるのではなく、観る人それぞれが自分なりに原発というものを考えてみようと呼びかけるものとなっています。チェルノブイリ事故の現場や日本の原発で働く労働者たちの働く姿などのシーンもリアルに描かれています。
【映画情報】
製作年 :1989年
上映時間 :55分
製作 :平形則安/溝上潔/里中哲夫
構成・演出:千葉茂樹/中嶋裕/田淵英夫/金高謙二
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* 当研究所は11月3日(木・祝)にシンポジウム「震災と憲法」を開催します。福島第一原発事故は東日本大震災によってもたらされました。震災復興の最大の課題は被災者の生活再建であり、被災者への個人補償は憲法の要請であることなど、大いに語り合いたいと思います。こちら。
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