最近も生肉を食したことによって各地で犠牲者が出ています。業者や飲食店、そして政府には食品の安全確保に万全を期すことが課せられます。
1968年、福岡県北九州市にあるカネミ倉庫株式会社が販売していた食用油、カネミライスオイルを食した人々が健康被害を訴え、翌年までに約1万4千人が保健所などに届け出ました。被害は福岡、長崎、広島、山口、佐賀など西日本一帯におよび、被害者は、肌の異常、頭痛、肝機能障害などに見舞われました。
この映画は、いまなお苦しんでいる被害者たちの日々を追うドキュメンタリーです。いわゆるカネミ油症事件として裁判もたたかわれ、その補償なども行われてきていますが、被害者の中には補償の対象として認定されていない人も少なくありません。この映画は被害の深刻さを生々しく浮き彫りにし、その解決の必要性を声高に叫ぶのではなく、被害者たちの生活と思いを淡々と描いており、観る者の心に問うものになっていると思います。カネミ油症の被害を受けた女性から生まれ、障がいを抱えながら成長していく青年の姿も印象的です。
製作年:2010年
上映時間:103分
監督:金子サトシ
* 5月28日(土)午後6時から、東京の「かふぇ&ほーる with遊」(荻窪駅南口徒歩8分)で上映会が行われます(料金は一般1000円、学生・子ども500円。定員30名。予約制)。お問い合わせは金子サトシさん(携帯 090-1793-6627、メール n3946062@yacht.ocn.ne.jp)まで。
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