巨大地震の発生に対する日本国民の危機感が高まっています。この映画は日本列島の各地に大地震が発生し、日本列島が沈没の危機に瀕する様子が映されています。自衛隊や消防庁の全面協力と特撮による凄まじい映像によるこの映画に、人々はよりリアルに地震の恐ろしさを感じることになります。政府に巨大地震への備えを怠りなく進めてもらう必要があると、あらためて痛感します。
映画には、地震発生に際していち早く国外に脱出する国の指導者がでてきたり、国外に脱出する日本人を難民として受け入れることをアメリカが拒否したり、恐ろしいけれども「さもありなん」という場面もあります。危機を回避し、被害を最小限にとどめるための政府の政策や指導者の姿勢を私たちが日常的に監視し続けることが重要なのだと受けとめたいものです。
映画には自衛隊の活動がいたるところに出てきます。災害救助とそのための組織自体は必要ですが、それが自衛隊なのかどうかということも考えていきたいテーマです。今日、テロ対策と「安全・安心」という政策の必要性が叫ばれ、そのために自衛隊の役割が強調されるようになってきています。その動きは自衛隊の海外への派遣をさらにすすめようという動きとも連動しています。戦争放棄・戦力不保持を謳う憲法の「改正」への世論作りにも警戒しなければならないと思いながら、この映画を観ました。
(2006年9月11日)
【映画情報】
製作:2006年
上映時間:135分
監督:樋口真嗣
出演もしくは声の出演:草なぎ剛 、柴咲コウ 、豊川悦司 、大地真央 、及川光博、ほか
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