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書籍『15%が社会を変える 9条を活かす日本』

S.K

 既成事実として自衛隊が長年存在してきた日本では、憲法9条の精神は理想だが、それで平和は守れないのではないか、日本の平和のためには対米従属路線を放棄しない方がよいのではないかと考える人が多数派ではないでしょうか。しかし、本書で紹介されている、コスタリカをはじめ、世界で実際に平和憲法を活用して国際紛争を解決し、リーダーシップを発揮している国の人々の言葉や、世界各地の人々が現状を憲法の理想に近づけるため日常的に憲法を活用し、社会を変えるため不断の努力をしているエピソードを知れば、日本が対米従属路線を放棄し、平和憲法を活用して国際社会の中でリーダーシップを発揮することこそ一番の安全保障であり、実現可能であると確信がもてるはずです。
 たしかに、安倍政権が武器輸出を解禁し、市民の反対を無視して憲法違反の法案を強行に成立させ、公然と9条改憲を進め、戦争できる国へ突き進んでいるいま、「9条を活かす日本」への途はとてつもなく遠く、無謀にさえ思えます。
 しかし、著者は、世論調査から国民が安倍政権に求めているのは、社会保障や景気と雇用などの「安心できる暮らし」であり、与党支持者が改憲を支持しているわけではないことや、野党が魅力ある政策を打ち出し、新生日本のビジョンを示せれば状況は変わると指摘します。また、世界82か国で取材してきた経験から、9.11直後の国旗掲揚の割合やベルリンの壁崩当時の警察の規制態様の変化、チリのクーデターなどを検証し、悪政を覆すためには、選挙で過半数をとるのが一番よいけれども、選挙を待つまでもなく、15%の市民が一斉に行動を起こせば、世の中すべてがそうしているように見えて、社会の空気が変わるといいます。さらに政治を変えたいがどうすればいいかわからない、何かしなければとは思うが何をすればいいのか考えつかないという声には、市民が民主化を勝ち取った南米チリの奇跡や、100万人の人々が集結し大統領を弾劾した韓国、「人間の鎖」でソ連から独立した東欧バルト三国のケースを紹介し、具体的な行動のヒントを示してくれています。
 そして、歴史上市民が立ち上がって政権を握ったという成功体験がなく、社会を変える自信が持てない日本の人々に「今がチャンスだ。市民が立ち上がって、日本の歴史上初めて、真に市民に根差した政権を生み出そうではないか。戦前のように独裁化した政権を倒そうではないか。」と呼びかけます。
 目指すべき国のビジョンとそのための具体的な方法を示すとともに、自信と勇気と希望を与えてくれる1冊です。

【書籍情報】2018年5月に新日本出版社より刊行。著者は伊藤千尋。定価は1600円+税

【関連書籍・論文・HP】
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  「活憲」を楽しくやろう(要約版)〜特派員の眼で見る憲法9条
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