法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『日活昭和青春記 − 日本でもっとも長い歴史をもつ映画会社の興亡史』

H・O


 映画を観るにあたって面白い視点を提供してくれる本です。映画を通して憲法についても考える読者にお薦めですので、紹介します。
 1950年代までは多くの人々が映画館に足を運びましたが、テレビの普及によって映画産業は試練を迎えることになりました。しかし、今なお、人々の心を揺さぶる作品の製作は続いています。この本には、日活の映画づくりとその配給・興行、従業員たちの映画づくりへの思い、会社と従業員との間の労使関係と労働運動の歴史などが書かれています。
 著者の松本平さんは、多くの人々が映画に感動していた時期である1954年に日活撮影所に入社されました。労働組合運動の中心的な役割を果たしていた時期には解雇を通告されましたが、その後の大闘争によって職場への復帰を果たしました。そして、やがて役員として会社を牽引しました。まさに波乱の人生を送られています。この本では、とくに労働運動をしていた時期の経緯を丹念かつリアルに綴っています。憲法に定められた労働権、労働基本権の意義を具体的にイメージさせてくれます。
 この本では、猥褻という理由で国家権力が映像に規制をかけようとすることに対して、映画産業の人々などが「表現の自由」を守るたたかいを展開したことも綴られています。これも憲法の考え方を深める一助になります。
 映画産業をめぐる波乱の歴史の中で、いろいろな映画がどのような時期に、どのようにつくられたのか、どのような俳優や監督が映画産業の労働者のたたかいを支援したのか、などもところどころに出てきて、これも興味深く思います。
 なお、映画産業の労働者のたたかいは日活だけではなく、大映でも大きなたたかいが展開されたことが紹介されています。法学館憲法研究所は青銅プロダクションなどとともにドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」の製作にあたり、その普及を進めていますが、青銅プロダクションの現在のプロデューサー・山本洋さんは労働組合の委員長として大映での大闘争の先頭に立ちました。余談ですが、紹介させていただきます。

【書籍情報】
2012年9月、WAVE出版から刊行。著者は松本平さん(元・日活取締役)。定価は本体1,800円+税)。



 

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