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書籍『核抑止なき安全保障へ ― 核戦略に関わった英国海軍将校の証言』

T.T


 この本の著者はイギリス海軍に勤務し、核攻撃ジェット機や対潜水艦への核爆雷を備えたヘリコプターに搭乗し、フォークランド諸島をめぐるイングランドとの戦争では艦隊司令長官の情報担当参謀を務めました。そのような経歴をもつ著者はいま、反核平和運動をするようになっています。それは何故なのか、興味深い証言が語られています。
 著者は、はじめに、核抑止(核兵器を持つことにより、戦争を回避するという考え方)が歴史上どのようにして生まれたのか、第二次世界大戦から冷戦、オバマ大統領の核兵器に関する演説に至る経緯を説明し、核抑止がはたして安全保障政策を保障するものとして働いてきたか、と疑問を投げかけます。そして、核兵器がテロを抑止できないことは9.11事件で明らかであるとし、核抑止という考え方はもはや通用しないことを述べます。
 著者はまた、核兵器や原子力を動力源とする艦艇の寄港を禁止したニュージーランドの例などを紹介しながら、さまざまな角度から「核兵器のない世界」をつくるためにはどうすればよいかを述べます。軍人として経験をふまえた著者の指摘には重みがあります。

 「核兵器なき世界を目指す」と言ったオバマ大統領の政権下で、米国が初めて、9月15日に臨界前核実験を実施していたことがわかりました。被爆国であり、戦争放棄と戦力不保持・交戦権を否定した日本国憲法第9条をもつ日本は、「核兵器なき世界」をより説得的に世界にアピールできる国であり、その役割・課題を考え行動していく必要性を感じさせる書です。

【書籍情報】 ロバート・グリーン著、大石幹夫訳  かもがわ出版 2010年8月刊行 定価:2,625円(税込み)

* 各国の安全保障政策などに対する軍人の良心的発言・行動の例としてドイツ軍のフローリアン・パフ氏の発言・行動もあります。「法学館憲法研究所報」創刊号(2009年1月発行)にパフ氏の講演録を収載していますので、ご案内します。こちら。パフ氏の講演会の模様はこちら

 

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