法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

特集「日米安保を根底から考え直す」

H・T


 米海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐって、鳩山首相が設けた今月末という期限までに決着できなければ、首相は辞任すべきだという声が盛んになっています。しかし、考えてみれば、在日米軍の一組織の海兵隊のそのまた一施設である飛行場の代替地が見つからないということは、日本の総理大臣の首が飛ぶほど日本国民にとって重要なことなのか?日米安保条約の根底から考え直してみよう、というのが特集の意図です。

 水島朝穂教授の論稿は、「迎合、忖度、思考停止の『同盟』」です。「同盟関係」とは言いながら、その実アメリカに迎合して思考停止状態になり、旧安保条約から今日に至るまで、主として「日本の国内手続き軽視」が甚だ顕著である側面から切り込んでいます。その結果、条件も期限も中身も限定されない「全土基地方式」という、普通の国ならあり得ない不平等性を未だに引きずっている安保条約に対して、日本は主権国家なのかと批判しています。世界で現在機能している3つの軍事同盟のうち、唯一安定していた日米安保条約が、普天間問題で「濃すぎる」軍事同盟を薄める方向へ進む可能性が生まれたことは画期的なことだと注目しています。

 今年3月、核持込みなど密約に関する有識者委員会検証報告が公表されました。前田哲男氏(軍事評論家)は、「裏返った日米安保条約―『密約』はいかに生成・転移・増殖したか」において、この報告で言及されていない密約を含めて、日米同盟とは密約による「裏安保」に乗っ取られた従属関係であることを詳細に解説しています。

 民主党は、昨年の総選挙の際のマニフェストの中で、「日米地位協定の改定の提起」を掲げました。本間浩名誉教授は、「日米地位協定をどう改定すべきか―表層と深層からの照射」において、アメリカが他の同盟国と結んでいる地位協定と比較しつつ、日米地位協定の不平等性を具体的に明らかにしています。

 青井未帆准教授は、「日米安保条約と憲法九条」で、外交コントロール機能としての九条を論じています。

 最後に、「日米安保Q&A」は、本条約の基礎に立ち戻って15問解説しています。基礎といっても、防衛省幹部は「(北朝鮮は)2012年までの核搭載弾道ミサイル保有を目指しているのだろう。だが、米国が黙ってみているはずがない」と第2次朝鮮戦争の引き金は米国が引くとの見方を示していることを紹介するなど、現状を理解するために必読の情報が満載されています。執筆者は、久江雅彦、屋良朝博、古関彰一、半田滋、明田川融、前迫博盛の各氏です。

【書籍情報】「世界」2010年6月号所収 岩波書店発行 840円(税込み)

 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]