法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍「私たちが戦後の責任を受けとめる30の視点」

T・S


 戦後60年以上たちましたが、戦争被害者に対する補償などの問題はなお、残されています。いま、戦争体験者が高齢化し、被害体験を語れる人は減少し続けています。
 本書は、戦争を知らない1970年から1980年生まれの19名の研究者や編集者などによる戦争責任についての、戦後世代に向けた書です。30の視点から歴史資料や戦争体験者からの直接証言などにもとづき、戦争の本質・事実を明らかにし、再び過ちを繰り返さないために、戦後世代が学び・考える機会を与えてくれます。
 本書の構成は、第1章 侵略はなぜ起きたか、第2章 戦争があたりまえだった時代、第3章 日本がアジアでしたこと、 第4 章 戦後の責任という視点、となっています。
 第4章では戦後補償裁判について、被害者が敗訴したとしても、日本軍の加害行為を国民に知らしめることができるなどの意義があることを語っています。
 2007年4月、中国人強制連行・強制労働西松建設訴訟で、最高裁は被害者の訴えを退けましたが、判決の中で「上告人(西松建設)を含む関係者において、本件被害者らの被害の救済に向けた努力をすることが期待されるところである」と指摘しました。
 そして、本書の発行後の2009年10月23日、原告団と西松建設との歴史的和解が成立しました。この和解については当ホームページ「今週の一言」の「歴史をまっすぐに見つめる勇気を――最高裁付言を生かした西松建設中国人強制連行・強制労働事件和解――」内田雅敏さん(弁護士・原告ら訴訟代理人)をご覧ください。
 この和解は訴訟をおこさなければ、成立しえないもので、訴訟の意義をあらためて高めたものといえます。また、本書は裁判の原告だけでなく、戦争被害者全体の救済こそが、日本が憲法前文の「平和を愛する諸国民」の「信頼」をうることになると訴えています。そして、憲法九条を守ることは戦争責任を問う運動の一環であるとしています。

 当ホームページ「ときの話題と憲法」「戦争責任を問う第3の波―戦時性奴隷強制被害者等に対する私たちの責任」「憲法関連裁判情報」戦後補償裁判――(15)戦後補償裁判の最近の動向を関連情報としてご案内します。

【書籍情報】熊谷伸一郎編  合同出版 2009年9月刊 本体価格1800円+税


 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]