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論文「義務教育における憲法価値・原理の教育」

H・O

 学会である民主主義科学者協会法律部会の2008年度学術総会(2008年11月)のシンポジウム「法教育」での新潟大学・成嶋隆教授の報告で、『法の科学 40号』に収載されたものです。
 この論文は、義務教育課程における憲法教育に関する法制的枠組みの変動を考察しつつ、憲法教育をめぐる様々な論点を整理し、その課題を探求するものとなっています。
 まず、2006年に新教育基本法が制定されたことなどについて、義務教育を通して子どもたちに国家の指定する道徳規範が注入されていこうとしているという問題点を指摘しています(その後政権交代がありましたので、2006年教育基本法の改正を新政権に求めていくことも必要だと思います)。
 憲法教育をめぐる論点としては、(1)憲法教育の意義・目的、(2)憲法教育の内容・方法、に分けて整理・分析しています。
 「憲法教育の意義・目的」をめぐっては、
@所与の実定憲法(日本国憲法)が定める諸原理・価値の教育にとどまらず、現行憲法の「歴史的制約性」や「相対性」をふまえ、立憲的意味の憲法原理・憲法価値を伝達する必要性、
A憲法価値の学校での教育の重要性をふまえつつも、その強制的な注入についての吟味の必要性、
などを指摘しています。
 上記@については、日本国憲法も世界の具体的な歴史の中で理解されるべき(法学館憲法研究所双書『世界史の中の憲法』(浦部法穂著)が解明していること)で、同感です。子どもたちが憲法の条文の単なる暗記に終始させられてはならないでしょう。
 Aについては難しい問題であり、深く考えていきたいテーマです。
 「憲法教育の内容・方法」をめぐっては、
@憲法を「国民の行為規範」とする論調が生まれていることに対して、あらためてそれが「権力拘束規範」だという理解を広げる必要性、
A「立憲主義」と「民主主義」との関係、そして、権力は拘束されなければならないということを説得的に示す必要性、
B日本国憲法および日本の憲法政治をめぐる特有の論点(天皇条項、9条をめぐる規範と現実の乖離、など)の教育内容・方法の検討の必要性、
などを指摘しています。当研究所・伊藤所長の言説も紹介しての以上の分析は、いずれも重要であると思われます。

【論文情報】『法の科学 40号』(2009年9月、日本評論社、税込み2,730円)に収載。

*「憲法教育」については当サイト「憲法文献データベース」で検索できますので、ご案内します。

 

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