法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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小説『裁判官 −お眠り私の魂』

H・O

 日本国憲法76条3項には「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」とあります。
 刑事裁判における裁判員制度が始まりました。被告人を有罪とする検察官の主張に「合理的な疑い」がまったくないのかということを、市民が裁判官と対等な立場で検討し判断することになったのです。司法への市民参加は意義あることですが、多くの市民は、自分にはプロの裁判官と対等に議論できないのではないかという不安を感じています。裁判官とはどういう人たちなのでしょうか。
 この本は裁判官を主人公とする小説です。裁判官に関わる書物はいろいろありますが、小説には読者をひきつける力があります。
 この小説は、ある裁判官が12人の女性に出し続けた79通のラブレターによってできあがっています。裁判官は冷静で理論的だというイメージを持つ市民が多いと思いますが、当然のことながら、裁判官も人の子です。いろいろな悩みを持ち、人に甘えたくなります。また甘えます。この小説を読むと、裁判官が日常的に悩み苦労している様子をリアルに感じることになります。裁判官の悩みや苦労、そして甘えの表れ方はそれぞれでしょうが、おそらく悩み苦労しているということは多くの裁判官に共通したものでしょう。
 日本の裁判所が水害被害への補償を求める市民の訴えに冷淡になっていった経過を耳にしますが、この小説にでてくる裁判官のラブレターの中でもその様子が明らかにされています。裁判所の裁判官に対する「統制」の深刻さも理解できます。
 市民が裁判官という人たちについて、その果たしている重要な役割とあわせて、どういう人たちなのかを知ることは、裁判員裁判に自信を持って参加することにつながるのではないでしょうか。そのことで、決して無辜を罰したり、不当に重い刑を科さない、まさに憲法が想定する刑事裁判に近づいていくのではないでしょうか。
 気楽に読みながら裁判官の実像に迫れる書籍としてご案内します。

【書籍情報】2009年2月、光文社文庫として刊行。作者は朔立木氏。税込価格は700円(本体:667円)

*当研究所は裁判官をしてこられた方々による連続講演会「日本国憲法と裁判官」を開催しています。ぜひご参加ください。

・2009年9月8日(火)18−21時 下沢悦夫さん・丹羽日出夫さん講演会(会場はTKP名古屋会議室
・2009年9月9日(水)18−21時 喜多村治雄さん・浅田登美子さん講演会(会場は伊藤塾東京校

過去の講演会の様子はこちら
守屋克彦さんの講演の映像はこちら

 

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