法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍「リアル憲法学」

K・T

この夏、憲法の考え方についてじっくり学びたい、あるいは学び直してみたいと思っておられる方にお薦めの書籍です。
本年4月刊行の本書は、
第1部 憲法とは何か
第2部 人権を考える
第3部 統治の仕組み
の3部立て、全体で24章の章立てですが、各章すべてを「リアル」「憲法の世界」「考える」という3つの部分で構成しています。

<リアルな世界>に生起する軋轢や葛藤、その思いを想像力を働かせて存分に汲み取りながら、それを人権として解釈し直すこと、すなわち<憲法の世界>の言葉への翻訳を試み、その上で各章末尾の「考える」の部分で、憲法的視点からさらなる問題の所在を示唆する、という成り立ちです。
例えば、第5章 ピアノの前の40秒間 では、入学式で君が代斉唱の間、録音テープの流れる40秒間、君が代のピアノ伴奏を拒否した教師の気持ちが“リアル”に描かれた後、“憲法の言葉”で内面の思想と外部的な行為の関係について語られます。そして「公的場面」における個人の自由の保障のあり方について“考える”ことを提起しています。
現実に生起するリアルな問題をどう解決するか。本書では既に起こった事例を採り上げながら、実は、将来同様なことが我が身に起こった場合、自分はどのように考え行動するかを決定するにあたって、いつも憲法を意識することの重要性を説いているのです。

また、裁判・司法の在りかたについての問いかける第18章 多忙な憲法の番人 では、“リアル”の世界で、最高裁が発足した1947年以降の法令違憲判決が8件に過ぎない事実を確認し、それを踏まえて“憲法の世界”で立法・行政に対する司法の独立と裁判官の独立とは何かを問いかけ、憲法に明記された違憲法令審査権をめぐる司法消極主義と司法積極主義について考察を進めています。
裁判官は裁判でどのような役割を果たしてきたのか。“考える”の中で指摘されているのは、必ずしも違憲法令審査権を行使せずとも、裁判所が法規範創造、政策形成に寄与してきた―公害事件における無過失責任、男女雇用機会均等の根拠、等々―という司法の歴史でした。
当研究所も、裁判と裁判官をめぐる歴史と現状とそのあり方を学び考える機会になることを願い、連続講演会「日本国憲法と裁判官」(8/4東京8/28大阪9/8名古屋を行っています。本書にも著されている日本国憲法の意義と価値を学びながら、それを裁判の場で実現していく課題についてともに考える場として、連続講演会をあわせてご案内いたします。

【書籍情報】石埼学・笹沼弘志・押久保倫夫編 法律文化社 2009年4月 (定価 本体2,500円+税)

※石埼学さん等の書籍・論文は当サイト憲法文献データベースでも検索いただけますので、ご案内します。
※石埼学さんには、以前当サイト「今週の一言」で「『国民保護体制』と、自由の基礎としての第9条の意義」を語っていただきましたので、ご案内します。

 

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