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書籍『時代を読む――新聞を読んで 1997-2008』

F・J

早朝、新聞がポストに届く音で目覚めて、ふとラジオのスイッチを入れると、
アナウンサーが読むニュースにしては、憲法的な話題が多いことに気づくことがあります。
それは、たぶん水島朝穂教授の声ではなかったでしょうか?

水島教授が、12年間、NHKラジオ第一放送「新聞を読んで」で語ったものが全て、
この本には収録されています。しかも詳しい年表つきです。

同じタイトルの、加藤周一・樋口陽一『時代を読む――「民族」「人権」再考』(小学館、1997年)が、
二大知識人の多様な対話を通じて(特に近代から)「時代を斬って読みとる」ものとしたら、
本書は、二紙以上の多様な知識が詰まった新聞の切り抜きを通じて(特に同時代から)「時代を切り取って読みとる」ものといえます。

電源を切れば消えてしまうラジオやインターネットと違って、
本書は、新聞を切り抜いて残して置くように、
ラジオ放送を紙媒体で手にとって読んで、残して置くこともできます。
また、ラジオやインターネットを使えない(使わない)あなたのまわりのひとにも、
手渡しで贈りたくなる一冊です。

本書には3か月ごとの「定時観測」という特徴もあります。

しかし、それは、東京という「一地点」からのみの「定点観測」にはおさまりません。
「北海道・広島・長崎・沖縄…の新聞を読んで」といった旅先の地方紙はもちろん、
「韓国の新聞を読んで」もあります(ドイツ在外研究時だけはホームページで)。

また、新聞記事の作り方にも注意を向けます。
例えば、2001年「9・11」後、自衛艦が「国外」に派遣される日、
『毎日新聞』『読売新聞』夕刊が、一面紙面の半分でそれを伝え、他の半分で、「国内」での警官の拳銃使用緩和問題を伝えました。
一つ紙面を二つに分けて、内外の「力の行使」拡大を浮き彫りにする手法は、インターネット記事や、個々の新聞の切り抜きだけでは、なかなか気づかないでしょう。これも本書の醍醐味の一つです。

著者が「立憲主義」という「一視点」で腰を据えて新聞を読む意味では「定点観測」でしょう。
「憲法診断」的に「新聞を読んで、時代を読む」眼差し、語る声を、読みとることができる一冊です。


【書籍情報】2009年4月、柘植書房新社から刊行。水島朝穂著。定価(本体2800円+税)。

水島朝穂「平和憲法のメッセージ」
(次回のNHKラジオ「新聞を読んで」の放送予定も、こちらで)

 

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