法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『ちゃんと学ぼう!憲法 (1)(2)』

K・T

この2月、歴史教育者協議会の編集による本書が青木書店から刊行されました。
本書は全2巻の体裁で、オビに(1)は「憲法を知りたい あなたに―」、(2)は「憲法を教える あなたに―」とあるとおり、
(1)は情勢を踏まえたタイムリーなトピックスを中心に、59のQ&Aと50のコラムで、憲法をめぐる様々な問題を解説しています。ひとつのQ&Aが2〜3頁、コラム・資料は1頁と、大変コンパクトに情報がまとめられており、ハンドブックとしての使い勝手の良さを追求した工夫が伺われます。本書の特長は、幅広い層に、憲法を身近に感じてもらうことを主眼にしているところにあるといえましょう。
(2)は小・中・高校での憲法教育の豊かな実践記録の紹介とあわせて、子どもと憲法を学びあうためのヒントやカリキュラム案などが収録されています。ヒントの内“憲法情報ガイド”(p.231)には“授業づくりに役立つホームページ”として当サイトを、“授業を深めるための文献”として浦部法穂教授『憲法の本」』・『憲法学教室』、当研究所編『日本国憲法の多角的検証』」』などを、ご紹介いただいています。また“映画・映像で学ぶ日本国憲法”(p.134)の中でドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」も紹介されています(マンスリー上映会のご案内はこちら)。「改正」教育基本法の下、教師への管理締め付けのいっそうの強化が懸念される中で、本書が力を発揮することが期待されます。

ところで、本書(2)p.61〜で紹介される憲法カルタづくりのとりくみ。子どもたちが実際につくったカルタの一枚「天皇は 国の政治に 関われない 意外と仕事が 少ないのかも(第4条)」。これには本稿筆者も、思わず声をあげて笑ってしまいました。しかしこのカルタを作成した子どもの目線の、何と新鮮なことでしょう。きっと、このお子さんには、憲法に定められた“天皇の国事行為”が不思議で仕方がなかったのだと思います。そこから“何故?”と問う心が、豊かな学びの出発点になるのかもしれません。

いま子どもたちは、憲法と聞くとどんなイメージを持つのでしょうか。「みんなが守らなければならない重要なもの」「だから窮屈」「いやもっとルールを厳しくした方がいい」等々、ということはないでしょうか。そもそも「権力担当者に『これだけは守ってくれ』というのが憲法」であり、憲法は国民の人権を守るために権力担当者を縛るものであるという、憲法の基本的な存在意義を子どもたちにどのように理解してもらうかが肝要であるように思われます。教師の皆さんの教育実践に大いに期待したいと思います。

なお、本書の編集委員には、当サイト「今週の一言」「ちゃんと知りたい!日本の戦争」で語っていただいた久保田貢准教授(愛知県立大学)(参考:書籍「日本国憲法に出会う授業―子どもたちはどう学んだか」論文「いま、子どもたちが憲法と出会う学びをつくるということ」特集「憲法を活かす教育」特集「くらしに根づいた日本国憲法」書籍「歴史教育と歴史研究をつなぐ」論文「歴史教育と社会科教育の動向」)も名を連ねていらっしゃいます。

いよいよ今月より連続講座U「憲法の考え方」が始まります。憲法状況を幅広く捉える視野を培うこととあわせて、より深く理論的な確信をつかむことも重要です。憲法理念の核心に迫る今回の連続講座、是非ご活用いただきたくご案内します。

【書籍情報】歴史教育者協議会編 青木書店 2008年2月(定価 (1)(2)各本体価格2,100円+税)

 

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