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書籍『新・検証日本国憲法〔第3版〕』

K・T

 憲法への理解を深める学習に有用な書籍をご紹介します。本年9月に刊行された本書は、その前身「検証・日本国憲法」の特色を受け継いで、一つのテーマにつき左右見開きで本文1頁、資料1頁と、他であまり例を見ない読み易いものになっています。章ごとにはさまれたコラムも、普段身近に見聞するできごとが憲法的視点から問い直され、興味をかきたてられるよう工夫されています。
 このような体裁上の工夫もさることながら、本書の最大の特徴は、どのような立場で憲法を学ぶか、というスタンスを明確にしていることでしょう。憲法条文の解釈解説に留まらず、テーマごとに1ページに凝縮された本文は、いずれも憲法の価値を必要にして十分に伝え、憲法を変えようとすることへの厳しい批判に貫かれています。

 本書は、
第1章 憲法とはなにか
第2章 歴史の中の憲法
第3章 平和主義
第4章 基本的人権
第5章 民主的な統治のしくみ
という構成で、巻末に付録として文献一覧、用語索引、憲法裁判の読み方の他、インターネット検索による憲法資料へのアクセス法なども掲載しているところが目新しい。資料としては、日本国憲法・大日本帝国憲法・(旧)教育基本法・人権に関する世界宣言・国際人権規約が付されており、日本国憲法を歴史的かつ国際的な視点でとらえる上での一助となっています。

 さらに本書の特徴を挙げるならば、2005年第2版以後、今回第3版までの2年半、激動ともいうべき憲法状況の変化を反映し、直近情勢に即した内容が意識的に追求されていることでしょう。例えば第1章の“5 憲法の改正はなぜむずかしいのか”では国民投票法の、第3章の“26 自衛隊の現状”では防衛庁の防衛省格上げ問題の、第4章の“48 「君が代」「日の丸」への敬意の強制と「内心の自由」”では「君が代強制違憲判決」(東京地裁06年9月判決)の、同章“74 教科書検定”では集団自決についての日本軍強制記述削除の、各問題に対する言及が盛り込まれています。
 また、第3章“32 「負けるな日本国憲法!」”の項には「九条の会」の運動とその広がりについても紹介され、市民のつどいのポスターまで資料として掲載されていることに、本稿筆者は感銘を受けました。類書にない趣向と思います。

 福田政権がひとまず改憲スケジュールを口にしなくなった(できなくなった)情勢下、今の時期こそ不断の憲法学習が肝要です。本書を活用し、私たちの憲法感覚を磨きたいものです。
 また、平和ドキュメンタリー映画上映会(第4回目(10月17日)以降)も、憲法学習の貴重な機会となるでしょう。あわせてご案内いたします。

【書籍情報】小栗実編著 法律文化社 2007年9月(定価 本体価格2,700円+税)

 

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