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書籍『戦争のない世界へ―5大陸20人が語り尽くす憲法9条』

K・T

 日本国憲法第9条。今、9条を見直すべき、なくすべきと主張する人たちは、これこそ日本が「普通の国」になることを妨げている元凶といわんばかりです。
 しかし、国際社会は実際に、日本に憲法9条を変えて「普通の国」になってほしいと思っているのでしょうか。「国際関係にどう影響するか検討せずに憲法9条を改定することは無謀であり、危険です。そして国際関係にどう影響するかを確認するには、他の国の人々の見解を聞く以外に方法はありません。」(マイケル・シーゲルさん オーストラリア)(p.106)
他国で日本国憲法第9条は、どのように受けとめられているのか。本書では、世界5大陸それぞれの地域に生きる20人の方たちが、9条の価値を語っています。その視点は、私たちが気がつかなかったこと、もしくは気がつこうとしなかったことを教えてくれます。同時に、9条についての着眼点や日本という国をどう見ているかという点で、地域や大陸によってこんなにも相違があるということにも驚かされるのです。9条への思いは多様です。
お隣の国韓国から“自民党の新憲法草案は、韓国民主化前の旧憲法のようだ”と指摘されると、なんだか恥ずかしい。非武装を謳いつつともかくも「軽武装平和主義路線」をとっていた日本が「重武装主義路線」に転換することへの強い警戒感が示されています(執筆者は当サイトでも語っていただいた李京柱さん)。中国からも、日本が9条をなくすことが、いかに周辺諸国の脅威になるかという不安が語られます。日本はこれらの国々から未だ十分な信頼を勝ち得てはいないのだと実感します。
遠くアフリカ、中南米。かの国々では、最も自国民を苦しめてきたのは自国軍であったという歴史があります。その国軍を解体したハイチからは「日本とその憲法9条は、文明国家が自らの経済的繁栄と世界平和を希求しつつ、安全保障も得られる方法を示す、一つのモデルです。」(p.142)
 最後にボスニア・ヘルツェゴビナのヤスナ・バスティッチさんの次の言葉をご紹介しましょう。「憲法9条は、日本以外のすべての国にとっても歴史的に重要な意味をもちます。(中略)憲法9条があったからこそ、生活を守り続け、自分や子孫のために有益な何かをする機会を奪われずにすんだ人が、どこかに大勢いるかもしれません。憲法9条がもしなかったら、兵士としてどこかで命を落としていた日本の若者や、日本兵の銃弾で殺されていた男女が大勢いたかもしれません。」(p.15)

2008年5月日本で開催される「9条世界会議」。本書執筆者など世界各地から9条を大切に思う市民が参集し、9条にむけた世界の願いが結ばれます。当研究所伊藤真所長も呼びかけ人の一人です。本書は、その「9条世界会議」日本実行委員会の立ちあげに尽力したグローバル9条キャンペーンの編集により刊行されました。
本書のお申し込みについては、“(E-mail)”までご連絡ください。グローバル9条キャンペーン・9条世界会議について詳しくお知りになりたい方は、サイトをご覧下さい。

【書籍情報】グローバル9条キャンペーン編 かもがわ出版 2007年8月 (定価 本体1900円+税)

 

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