法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『国家は僕らをまもらない ― 愛と自由の憲法論』

H・O

 「ビストロのような憲法論」「キムタクの『目』で感じる立憲主義」「イチロー選手の『個人主義』」等々、憲法についての本としては異例のフレーズがふんだんに出てきます。しかし、決して奇をてらうだけの本ではありません。憲法の考え方、とりわけ立憲主義の考え方の基本的な内容を人々に説き、問題提起しています。
 憲法と言うものは国民が守るルールなのではなく、国家権力を縛る役割を持っているということは、依然としてあまり知られていません。この状況をどう克服するかを考えた時、そもそも国民の権力に対する見方やその動きがどうなっているか、というところにも着眼してみる必要があるでしょう。
憲法は権力を制限する規範であるという立憲主義の考え方の背景には、権力への懐疑があります。だから、国民の自由や権利を保障するために、憲法には国家がしてはならないことが列挙されているのです。ところが、多くの国民には、実際には、国家という権力は自分たちの人権を守ってくれるものだという認識があります。国家というのは、生活に困っている人や理不尽な思いをしている人に手を差し伸べてくれるところとして、多くの国民から「期待」されているように思われます。そして、この認識は、貧困の増大、テロへの不安など最近の「社会状況」の中で、より広がっているかもしれません。「安心や安全、そして秩序」という価値が「自由や人権」という価値よりも大事に感じる人々が増えているように思われます。そしてそのために国家への「期待」感が強まっているような気がします。
多くの国民の感覚がこのようなものだとしたら、憲法の考え方を広げるためには、このことを前提にして、このことをふまえて人々に説いていかなければなりません。憲法の考え方を広めたいと考える人たちとぜひ議論してみたいと、この本を読み、感じました。

憲法という考え方、立憲主義という考え方がどのように生まれ、つくられてきたかを歴史的に解明した講義「憲法という考え方の歴史」を現在オンラインで配信中です。ぜひ受講していただきたいと思います。

【書籍情報】2007年4月、朝日新聞社出版局から「朝日新書」として刊行。著者は田村理氏(専修大学教授)。定価は740円+税)

 

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