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特集「憲法を活かす教育」

K・T
 昨年末、教育基本法改悪が強行され、いままた国民投票法案すなわち改憲手続法案の成立が目論まれる緊迫した情勢にあります。しかし、教育基本法「改正」反対運動にかかわった多くの人々は、「負けた気がしない」。それはかつてない広がりをもったこのとりくみから、大きな自信と教訓を得た人々の一致した声となっています。この状況を踏まえて雑誌「教育」5月号は、「憲法を活かす教育」という特集を組んでいます。
 冒頭の論文「安倍政権は教育、憲法をどうしようとしているのか?」で渡辺治教授は、現情勢とその背景を明らかにしながら、「戦後レジームからの脱却」を唱える安倍政権自体が抱える新自由主義と新保守主義の矛盾を指摘し、今後のたたかいの展望を導きます。
 民主教育研究所代表堀尾輝久氏の論文「憲法と新・旧教育基本法」、そして世取山洋介新潟大助教授の論文「教育基本法の全部を改正する法案の国会審議分析」は、教育基本法「改正」にかかる国会審議過程で、政府が、新法の「憲法の精神にのっとり」とは、改憲案に依拠するものではなく、まさしく現行憲法の精神を指すものであると認めざるを得なかった点、「個人の尊厳」原理や教育に対する「不当な支配」禁止原則を、新法の適用上も76年最高裁学テ判決の趣旨の水準で認めることを否定できなかった点を指摘しています。これらの指摘は、今後の教育現場でのたたかいの重要な指針となるでしょう。
 また、愛知県立大学教員久保田貢氏は、子どもたちに憲法の理念をどのように伝えていけばよいのかという課題に、ハンセン病などの社会問題や戦争と戦後史を同時代的に学ぶことを通して、憲法の枠外―子どもや若者も今そこへ追いやられている―におかれた弱者への共感をはぐくむというアプローチを示唆しています。
 特集では、教育基本法改悪阻止の運動の経験を報告する論文のほか、小・中・高校における憲法を学ぶ教育実践を紹介する論文も掲載されています。いじめ問題、格差問題にとりかこまれ生活感覚の乏しくなりがちな子どもたちが、自分の言葉で憲法をとらえなおす試みで憲法カルタを作成したり、沖縄修学旅行の後、文化祭のクラス劇で沖縄をとりあげたりするさまざまな教育実践の報告は、大変感動的です。
 「教育」5月号ではこのほか小特集として「子ども・若者の規範意識は低下しているか」を組み、全体として教育基本法改悪後のたたかいの方向性を示しています。

 なお、久保田貢氏には以前当サイトでも語っていただいています。
  http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20061030.html

特集「憲法を活かす教育」 : 教育科学研究会編 月刊『教育』5月号(国土社)(定価700円)所収

 

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