法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『白洲次郎の日本国憲法』

H・O

最近書店に白州次郎に関わる本が多くあります。
白州次郎は、アジア太平洋戦争での日本敗戦後、当時の吉田茂外相の要請を受け、終戦連絡事務局参与となり、GHQ(連合国総司令部)との交渉にあたりました。日本国憲法がつくられる過程で英語が堪能な白州は日本側の通訳の役割を担い、交渉の裏事情を知る人物として注目されています。日本の憲法は占領期につくられたものだから「新憲法」をつくりたいと安部首相が語っていることも関心を高めているのでしょう。
この本には、日本国憲法制定に至る日本政府とGHQのやりとりの経過とその背景事情を理解していく上で興味深いエピソードが多く登場します。ただ、私たちは、日本国憲法が制定された当時の歴史的状況、国際的な状況、日本国民の世論と運動などを全体的に、かつ正確に理解する必要があるでしょう。
当時の日本政府関係者の多くがアメリカに対して卑屈な態度をとっている中で、英語に堪能だった白州は、実際には通訳以上の役割を果たし、率直にGHQと渡り合ったということが、この本のところどころに出てきます。そして、白州の風貌と態度が颯爽としていて人気があることから、今日クローズアップされてきている、とうい面があると思います。しかし、白州は格好いい、で終わらせたくはありません。
私たちは今、アメリカに対しても率直にものを言う必要があります。問題はその中身です。それは決して、日本国憲法はアメリカに押し付けられたものだから「新憲法」をつくろう、ということではありません。そうではなく、アメリカが日本国憲法制定直後からそれを「改正」させたいと考え始め(ドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」で詳しく描かれています)、今日も様々なかたちでそれを追求している中で、日本国憲法の積極的な理念を守り広げる声を上げていくことこそ求められるのではないでしょうか。

日本国憲法に国民主権や人権尊重、平和主義の内容が定められたのはどのような歴史的な背景によるのかを多くの人々とともに学び考えていきたいと思います。当研究所は、そもそも憲法というものがどのような世界史的な過程でできてきたのかということを学ぶ連続講座を開催しています。その第1回講義は無料でオンライン受講できます。あらためてご案内します。

【書籍情報】鶴見紘著。2007年1月、光文社から「知恵の森文庫」として刊行。価格は580円(税込み)。

 

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