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論文「『国民国家』の『神話』を疑う 〜平和主義の可能性を論ずる前提として」

H・O記

当研究所主席客員研究員である浦部法穂教授の論文です。
非武装平和主義を掲げる憲法のもとで、なぜ日本は戦争のための法整備がすすんでいるのか? 浦部教授はその重要な背景として「国」あるいは「国民」というものに対する人々の意識をあげています。
今日の「国民国家」は民衆の力で絶対君主の圧政を打倒し、「国民」が主権を有する「国」として、自由と平等を勝ち取る近代市民革命によってつくられました。また、「国民国家」は、アジアやアフリカなどにおいては、植民地支配からの「解放」の結果つくられました。こうして、「国」をつくるということは近代以降の歴史の「進歩」として、多くの人々にとらえられています。浦部教授は、そのような理解は「神話」ではないかと疑問を投げかけます。
歴史的に、近代市民革命によってできあがった「国」によってはじめて、「国民」が戦争に動員される体制がつくられました。自由と平等という革命精神を実現するため、その「国」を脅かす「敵」に対する戦争に、「国民」が動員されるようになったのです。近代市民革命以前には「国民」という概念はなく、まして「国」の戦争のために「国民」が動員されるようなことはなかったのです。
私たちは、「国」や「国民」というものは自然的・必然的なものであるかのように思いがちです。しかし、それは近代市民革命以降につくられた「国」によって、「国民」がそのように思い込まされてきたという面があるのではないでしょうか。
「『国』や『国民』を守る」とはどういうことなのか。浦部教授は、平和主義を考える際に、あらためて突き詰めておく必要性を説いています。

当研究所が開催する連続講座「世界史の中の憲法」で浦部教授の講義に学ぶことは大でしょう。

論文情報:法律時報増刊「憲法と有事法制」(日本評論社から2002年12月発行)所収。

 

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