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書籍『いま平和とは』

H・T

代表的な国際法学者である最上敏樹教授(国際基督教大学)が、“共に平和を考えるための基本的なテキスト”とする趣旨で著した書籍です。2年前のNHKの「人間講座」のテキストを5割ほど加筆し、章立ても再構成してあります。あとがきには、「緊要度の高い問題を軸に、議論が成り立ちそうな論点を提示した」とあります。

 内容は、新しい戦争の時代、国連の安全保障体制とその課題、国際人道法、構造的暴力と人間の安全保障、人道的介入、平和のために行動する新しい主体である市民・NGO、核と殲滅の思想、パレスチナ問題(「絶望から和解へ」)、隣人との平和(「自分を閉じ込めてはならない」)の9話からなっています。「核と殲滅の思想」の章は独立した章になりました。殲滅(皆殺し)の思想に基づく核兵器の軍縮のための交渉が遅遅として進まないことがいよいよはっきりしてきたからでしょうか。国際法の支配が力の政策によって脅かされている現在において、「武力不行使の原則」を軸とした国際法の考え方の基本をしっかり学び、国家でなく個々の人間を中心とした平和を創っていくためにはどうしたらよいかを、考えさせてくれます。題材も大変豊富です。「気ままな主張」でなく「分析に基づいた所見」であるという著者の意見(「あとがき」より)も、なるほど抑制をきかせながらも明確です。

終わりの方で、エーリッヒ・フロムの次の言葉が引用されています。
“強い希望を持つ人は、新しい生命のあらゆる兆候を見つけて、それを大切に守り、正に生まれようとするものの誕生を助けようと、いつでも準備を整えているのである”
本書は「新しい生命の(数々の)兆候」を示してくれているように思われます。

【書籍情報】2006年3月発行。岩波新書。定価740円+税

 

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