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憲法25条を本質的に理解する
− 森英樹教授講演会(2008年11月15日)

2008年11月24日

 

  2008年11月15日、法学館憲法研究所は講演会を開催し、「雇用・福祉・生活のあり方と日本国憲法」と題して森英樹教授(龍谷大学教授・法学館憲法研究所客員研究員)に講演していただきました。森教授には日本国憲法第25条の考え方についての本質的な問題提起をしていただきました。
憲法25条は「生存権」の規定だとされます。そして「最低限度の生活を営む権利」との条文の文言とあわせて、「生き残る」権利という理解をしがちです。
ところが、憲法25条の英文をみてみると、それは「生存」「生き残り」ではなく「生活(living,life)」の権利と読み取るべきことに気づきます。日本国憲法第25条の淵源にはドイツ・ヴァイマル憲法があるとされます。そこには「人間たるに値する生活(生存)」が保障されるべきと書かれていました。この考え方を引き継いでいるドイツ基本法が「人間の尊厳は不可侵である」と謳っていること、日本国憲法と同時期に制定された労働基準法にも「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と規定されていること、などを踏まえるならば、憲法25条は「人間としての尊厳・名誉・品位を保持して活き活きと生きること」が保障されると理解されるべきです。森教授はこのように憲法25条が歴史的な経緯もふまえて解釈されるべきことを説きました。
こんにち新「自由」主義が暴走し、雇用・福祉・生活のあらゆる場面で貧困と格差が拡大しています。森教授は、資本主義体制の下での19世紀から20世紀のはじめにかけて人々が生活権の権利を勝ち取ってきた歴史を振り返りながら、いまこそ「人類の多年にわたる努力」(憲法97条)を再現させようと呼びかけました。そして、軍事費を削って暮らしと福祉を充実させる“グンプク”活動の重要性を提起しました。
 憲法25条の解釈のあり方を理論的に解明する森教授の講演には、多くの参加者が感銘を受けることになりました。
 以下、参加者の声を紹介します。

「日本国憲法が世界の壮大な歴史を継承して25条を規定したことに感銘を受けた。」(20代)
「憲法史の展開をふまえた“right to life”の解釈論には目を見開かされた思いが致しました。」(40代)
「25条に関しては生存権に関する規定ということで理解してきたが、本来は生活権ととらえるべきであるとの指摘など、25条の理念・意義を考え直す上で大変参考になった。」(50代)

なお、森教授の講演に先立ち、NPO法人POSSEの代表・今野晴貴さんに若者の雇用をめぐる問題状況について報告していただきました。
(法学館憲法研究所事務局)

 

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