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映画『バベルの学校』(原題: La Cour de Babel)


花崎 哲さん(憲法を考える映画の会)
                                                           

「違ったっていい、違っているからいい」というキャッチがぴったりの映画でした。期待通りの心地よい映画です。
子ども(中学生)の笑顔はやはり見ていてうれしいし、困った子、困っている子、の言っていることを一所懸命聞いて、励ます先生の熱意に熱いものを感じます。何より子どもたち同士がそれぞれのわかり方で、わかり合えるようになれた瞬間が、見ていてとても感激します。

24人の生徒、20の国籍、24のストーリー。 フランス中を感動に包んだドキュメンタリー。
アイルランド、セネガル、ブラジル、モロッコ、中国…。世界中から11歳から15歳の子どもたちがフランスにやって来た。これから1年間、パリ市内にある 中学校の同じ適応クラスで一緒に過ごすことになる。 24名の生徒、20の国籍…。この世界の縮図のような多文化学級で、フランスで新生活を始めたばかりの十代の彼らが見せてくれる無邪気さ、熱意、そして悩み。果たして宗教の違いや国籍の違いを乗り越えて友情を育むことは出来るのだろうか。そんな先入観をいい意味で裏切り、私たちに未来への希望を見せてくれる作品。(ホームページより)

一筋縄ではいかない彼らの育ってきた背景。言葉も違う、宗教も違う、生活習慣が違う、文化が違う、そして国籍が違う。そうした子どもたちがそれぞれ自分の国の文化や宗教をつかみ直して、わかり合うようになるところに、何か私たちの、あきらめていた未来に対する期待があるように思えました。

自分の宝物を書き出し、それを発表するところがあります。それはおそらく自分を見直す、発見し直す仕事となるのでしょう。自分が疑問に思っていることを書き出す授業があります。
それは、自分の中で自分が何を考えているかを確認する授業です。
カメラで、それぞれ自分のことを撮り合っているところがあります。そうした仕掛けで、一人一人の言おうとしていることに熱心に耳を傾け、あらためてそれぞれがわかったということが語られます。
彼らが乗り越えなくてはならないものは、ほとんど当たり前の境遇とは言えないものがあります。だからこそ、それを乗り越えたときに得るものが大きいのだと思います。
だからこそ彼らの卒業、別れのシーンが濃密になるのでしょう。彼らが経た時間と関係性、そこで、いかに感情のぶつかり合いがあったかが、そこに映し出されています。

移民、難民を受け入れるか、排除するかで揺れ続けるヨーロッパ各国の中にあって、どのように共生・融合を図れるか、この映画が示唆するものはたくさんあります。

「違ったっていい、違っているからいい」
特に子どもたちの話であるだけに、本来子どもたちがもっているはずの柔軟性は、未来の可能性へ通じるものがあり、希望があります。
内側にいくつもの悩みを抱えている彼らを辛抱強く見守り、なだめ、導いていくブリジッド・セルヴォニ先生の実践は、私たち自身の「教育」に対する見方、考え方を変えていきます。やはり、こうあらねばならないなと感じるものがあります。
子どもが本来持っているであろう柔軟性を信じ、そうしたものを十分に発揮させていく「教育」でなくてはと思わせます。

監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
編集:ジョジアンヌ・ザルドーヤ
オリジナル音楽:オリヴィエ・ダヴィオー
サウンド:ステファン・ブエ、ベンジャミン・ボベー
ミキサー:オリヴィエ・グエナー
制作:Les Films du Poisson、Sampek Productions
共同制作:ARTE France Cinema
配給:ユナイテッドピープル
原題: La Cour de Babel
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

フランス/2013年/フランス語(日・英字幕)/89分/ドキュメンタリー
ホームページ:http://unitedpeople.jp/babel/
上映問い合わせ:ユナイテッドピープル株式会社
URL:http://unitedpeople.jp/
この映画は市民上映会の形で自主上映が可能です。
お問い合わせフォーム: http://unitedpeople.jp/contact/
メールアドレス:contact@unitedpeople.jp
電話:090-8833-6669

 

 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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