法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>

 

映画「書道ガールズ!!――わたしたちの甲子園」


                              
K・T

近年、“書道”が人びとの関心を集めているようです。“書道”に関わる漫画あり、TVドラマあり。そんな中、「“書道パフォーマンス”で町を盛り上げよう!」、と立ち上がった愛媛県立三島高校書道部の活動を、地元南海放送が密着取材。そこから全国ネット・日本テレビの「ズームイン!!SUPER」にとりあげられ、彼らの熱意が大人たちを、地域社会を動かし、遂に「書道パフォーマンス甲子園」が実現します。この実話を元に、忘れていた何かを思い出させてくれる、魅力的な映画が生まれました。

「私の好きなもの。
真っ青な空。
海へと続く坂道。
自転車のペダルを漕ぐ音。
町のどこにおっても見える、
紙工場の煙突の煙。
そして……」

映画の舞台となるのは、“紙の町”として手漉き和紙の伝統を持ち、紙の生産高日本一を誇る愛媛県四国中央市。しかし、押し寄せる不況の波に翻弄され、町はかつての活気を失っていました。“シャッター通り”と化した商店街。書道家から最高品質と太鼓判をおされる和紙を製造する高田製紙は、大規模店舗では“値段が高い”と商品を置いてもらえません。四国中央高校・書道部部員の1人、好永清美(役・高畑充希)の父が切り盛りする好永文具店も、とうとう閉店に追い込まれます。
町の沈滞ムードと歩調を合わせるかのように、部員の退部届けが続く書道部も元気がありません。そんなとき産休代替教員として赴任し、書道部顧問となった池澤(役・金子ノブアキ)が突如見せた“書道パフォーマンス”がきっかけとなって、四国中央高校書道部の新たな挑戦が始まります。

「書道パフォーマンス甲子園」の実現に向けて、はじめから書道部員のメンバーが一丸となっていたわけではありません。「またみんなで楽しくやろうよ」と呼びかける部員の香奈(役・桜庭ななみ)に対して、書道の実力派、部長の里子(役・成海璃子)は、当初冷ややかです。はやる香奈に、里子は「書道は」と言いながら、半紙に「こ」、と書きます。書は「個」であり「孤」なのだ、と。厳しい書道家を父にもつ里子は、そのプレッシャーに悩んでいたのです。里子に比肩する実力を持ちながら、母子家庭の岡崎美央(役・山下リオ)は、母の入院のため書への思いを諦めようとしていました。その美央に憧れて入部した山下小春(役・小島藤子)にも、いじめで不登校になった過去があります。“書道ガールズ”、1人ひとりは現実社会の矛盾の前に無力な存在でした。

「書道パフォーマンス」を成功させるには、チームワークが必要です。ときに派手な喧嘩もし、本音でぶつかり合いながら、それぞれの「個」を尊重しつつ、「孤」から志を共有する「仲間」へと成長していきます。それを促したのは、「大好きなものを、守りたい」「無理だといわれても諦めない」ひたむきな“書道ガールズ”の思いでした。四国中央高校書道部が、「書道パフォーマンス甲子園」で披露したのは、好きで好きでたまらない“紙の町”の姿と“再生”の文字……。

「個人の尊重」は、日本国憲法の核心です。その「個」が真に輝くためにこそ、「孤」の殻から脱皮しなくてはならない。そんなことを感じさせてくれる映画です。
憲法の価値を、「個人の尊重」という視点から確かめ直すDVD「中高生のための映像教室 憲法を観る」(サイトはこちら)は、憲法の考え方を中高生の皆さんに伝えていくことを目指して製作されました。あわせてご案内いたします。

【映画情報】
製作:2010年 日本
監督:猪股隆一
脚本:永田優子/音楽:岩代太郎/書道監修:石飛博光
時間:121分
出演:成海璃子、山下リオ、桜庭ななみ、金子ノブアキ 他
上映館:ヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国で公開中
公式サイト

 
                              

 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]