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映画「アメリカ―戦争する国の人びと」


                              
K・T

以前当蘭でご紹介した映画「アメリカばんざい」(2008年製作)の監督藤本幸久さんが、その後「ONE SHOT ONE KILL・兵士になるということ」(2009年製作)を経て、この間の集大成ともいうべき本作を作り上げました。

「どの戦争でも、兵士になるのはその国の普通の若者たちだ。
映画『ONE SHOT ONE KILL』が、その入り口を描いたのだとすれば、
『アメリカ―戦争する国の人びと』は、若者たちのその後を描いたものといえるだろう。」
上映館ポレポレ東中野のサイトではこのように本作を紹介しています。

本映画は8つのエピソードで構成され、全体を通して494分の大作です。
<Episode1 High School/高校>
<Episode2 Iraq/イラク>
<Episode3 Gold Star/戦死>
<Episode4 Indigenous/先住民>
<Episode5 Invisible/見えない人びと>
<Episode6 Vietnam/ベトナムの記憶>
<Episode7 Resist/抵抗>
<Episode8 Springs/それぞれの春>

第2次大戦以後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中米への介入、湾岸戦争、コソボ、アフガニスタン、そしてイラク。“戦争をする国”の道を歩み続けた国アメリカで生きる人々は、他国の人を殺しながら、自らも傷つき果てていました。帰還兵の多くはPTSDに苦しみ、麻薬・アルコール中毒に陥り、ホームレスへの道を辿ります。アメリカのホームレスの実に3人に1人は帰還兵だといわれています。
前回当欄でご紹介した映画「ハート・ロッカー」が、“せめてこうあってほしい戦争”の幻想を描いたのだとしたら、本作は、現実の戦争や兵士の姿と、その現実を変えようとする人びとの存在をリアルに訴える映画といえましょう。

最終章<Episode8>は、ホームレスのキャンプ地、キャンプ・キホーテで伴侶を得て人生の新たな一歩を踏み出す2人と、それを見守る人びとの暖かな眼差しを描くところから始まります。このキャンプ・キホーテでは、森での危険・不安な生活やテント暮らしから、簡易でも木の家を建てて暮らそうとする人たちの努力も始まっていました。木の家を建てたマークは、自ら工夫して室内にベッドも作り上げ、さらに「ここの壁に棚を作りたいんだ」と語ります。飾り棚を作って、家族の写真などを飾りたいのだ、と。明日の食べ物さえ確保できるかわからない、社会から棄てられた人が、人間の誇りと尊厳を喪っていない、その崇高さに胸打たれます。
「アメリカばんざい」に登場する、イラク派遣を拒否しその後兵士人権ホットラインの仕事にとりくむパブロも、「イラクから若者を生きて還せ」と街頭で訴えるおばあちゃん平和旅団も健在。“春”へと向かう息吹を感じさせて、映画は幕を閉じます。

「戦力を保持しない・国の交戦権を認めない」とする憲法9条(2項)によって、“戦争をしない国”を選択したはずの日本。“戦争をする国”アメリカの今が、日本の近未来であっていいはずはない、と本作は強く訴えかけています。日本国憲法誕生過程とその意義を歴史的映像で検証するドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」(DVDのご案内はこちら)は、憲法の平和主義の価値を改めて考えさせる内容です。あわせてご案内します。

【映画情報】
製作:2009年 日本
監督:藤本幸久
時間:494分
上映館:ポレポレ東中野(東京・中野)
    〜4/16まで 5プログラムに分けて上映 タイムスケジュールはこちら
※この他、大阪(第七藝術劇場)、名古屋(名古屋・シネマテーク)など、順次全国公開予定
映画公式サイト

 
                              

 

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