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映画『セブンデイズ』


                                                           
K・T

 2007年製作の韓国映画です。
 本作の主人公ユ・ジョンは、刑事弁護で勝率99%といわれる敏腕弁護士。シングルマザーで、8歳の一人娘ウニョンは彼女の宝物です。ある日、ウニョンが何者かに誘拐されます。誘拐犯の要求は、一審で死刑判決を言い渡された、殺人・死体遺棄の罪に問われる被告人を、二審で無罪釈放させること。
 周到な誘拐犯に翻弄され、ユ弁護士は警察の介入を断って、誘拐犯の要求どおり殺人・死体遺棄容疑者の弁護を引き受け、限りなく“クロ”と思しき被告人の無罪をかちとるために奔走します。二審の公判期日まで、わずか4日。弁護のための証拠集めは困難を極めます。そんな彼女の相方は、幼なじみのキム・ソンヨル刑事。型破りのキム刑事は、自他共に認める“不正刑事”の面目躍如で彼女を支えます。二人の心のつながりも、本作の見どころの一つです。

 “私は死刑制度に大賛成です。人でなしは死刑にすべきです。だが、死刑宣告を受けてはならない人がいる“
誘拐犯から、ユ・ジョン弁護士に伝えられたメッセージ。ウニョンの生命との交換条件は、若い女性ヘジンを暴行の上殺害、死体を遺棄したと目される容疑者チョン・チョルチンの無罪ですが、何故、チョン容疑者を“死刑にしてはならない”のか。何故“生きていてもらわねばならない”のか。本作クライマックスに明かされる、事件の真相と、誘拐犯の真の狙い――。

 殺されたヘジンの母、ハン・スッキの被害者遺族としての感情。犯人は報いを受けるべきだという思いと死刑制度の是非。一方、チョン容疑者の無罪に娘の命がかかっているユ弁護士もまた、犯罪被害者の立場です。チョン容疑者有罪の鍵を握る証人が、真相を知る有力者の手で抹殺されようとしているとき、娘の命のために証人をこのまま見殺しにしたいという抗いがたい欲求と、弁護士倫理との狭間に引き裂かれるユ弁護士の姿も本作では描かれます。

 刑事手続は、被害者の報復手段であってはならない。「被告人を有罪とするには証拠能力があり、適式な手続を経た証拠が必要となる刑事訴訟の原則である証拠裁判主義です。(中略)検察は証拠能力のある証拠、合理的疑いのない証拠を捜し出せなかった。」ユ弁護士の最後の弁論です。合理的疑いの余地なく有罪が立証されない限り、被告人は無罪と推定される。
来月早々にも、裁判員裁判の開廷が予定されています。憲法理念からも導かれるこれらの原則を、裁判員となる可能性ある市民の一人ひとりが、今一度胸に刻む必要がある、そのことを教えてくれる映画でもあります。

【映画情報】
製作:2007年 韓国
監督・脚色:ウォン・シニョン
時間:125分
出演:キム・ユンジン、パク・ヒスン、イ・ラヘ 他
上映館:シネマート六本木で公開中
公式サイト

 
                                                           

 

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