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映画『チョコラ』


                                                           
S.T.記(法科大学院生)

 「鉄くずやプラスチックを集めたり、物乞いや小間使いなどで生計を立てている子どもたち。人々からはスワヒリ語で「拾う」を意味する「チョコラ」と呼ばれ、さげすまれています。夜の寒さや空腹、警察による一掃作戦など、ストリートに生きる厳しさは並大抵ではなく、実際多くの子どもたちが自然とシンナーに溺れ、あるいは数週間の内に体が持たずに姿を消します。そんな中でも、彼らは仲間と出会いグループを作り、お互い助け合いながら生きていく----それぞれに人には言えない事情を抱えながら。」

 これはチョコラの公式サイトの解説です。これを読んで私は渋谷に向かいました。
アフリカのかわいそうな子供たちの映画、どんな感動を与えてくれるのだろうかと期待に胸ふくらませて。
 しかし、見事に期待は裏切られました。
かわいそうな子供たちを上から撮った、「上から目線」がまるでありませんでした。ストリートチルドレンの一人がカメラを構えたような そんな錯覚におちいるような映画でした。 映画が疑似体験、感動や興奮をつんだディズニーランドのジェットコースターなら、これは、都電の車窓です。淡々と時間が進んでいきます。だから眠くなります。 こうしなさいとか、こうあるべきとか、観客をコントロールするものがありません。メッセージ色がないのです。押しつけがましさとでもいうのか、それがないのです。
 アフリカの悲惨な状態を映画にしたものは、「こんな悲惨な状況でも人はがんばって生きているんだ」と見るものに勇気と感動を与えてくれます。そのメッセージがない「チョコラ」と、どちらが実態を映し出しているのか、私には判断できません。
 だけど、実態を切り出しているのが映画ではなく、カメラを向ける人の思いや内面を映し出しているのが、映画かもしれません。
 少年たちは、いろいろな事情で自分の家から遠いところにいます。淡々と進んでいく時間のコマにも少年たちの、悲しいけなげな顔をかいま見ることがあります。だけど、見終わって不幸だとは思えなかったのが不思議でした。なつかしさ、うらやましささえ感じました。
 この映画で、いつのまにかアフリカは部族という単位で人たちが住んでいて、未開の地だから野蛮な闘いがあるのだという意識が私の中にあったのではないかと思いました。「部族」という言葉には都会人とは違うんだぞという響きがあります。アフリカに「部族」という言葉を使う、その意識こそ、「上から目線」だったと思ったのでした。
 少年たちを保護する施設を作ったNGOの日本人女性が、少年を親のところにつれて行きます。彼女の表情が、明るくて楽しんでいるような様子にも「上から目線」は皆無。少年たちと共にいることをとても楽しんでように見受けられました。
 
 【映画情報】
 【製作】2008年 日本
 【英題】CHOKORA!
 【時間】94分
 【監督】小林茂
 【上映館】札幌、函館、広島で公開中 全国順次公開
 公式サイト

 
                                                           

 

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