法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>

 

映画『チェ 28歳の革命』


                                                           
H.T.記

 「革命」。元々、滅多に使えない、重い主題を投げかける言葉です。それゆえ、少なくともマスメディアでは禁句となっていた感さえありました。しかし、ソ連の崩壊後は、この言葉を使用しても心配する必要がないというムードが醸成され、主張を強調するときの安易かつ便利な用語と化した印象も受けます。

 さて、「ゲバラ」と言うと、今はサッカーのサポーターのTシャツにコピーされた精悍な顔と名前くらいしか知らない人も増えましたが、依然としてカリスマ性は衰えていないようです(「ゲバラ熱さめず」07年10月9日付け朝日朝刊など)。

 エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(「チェ」の愛称で知られています)は、1928年、アルゼンチンに生まれました。2歳の頃から以後持病となる重い喘息に苦しみます。でも、サッカーなど激しいスポーツで体を鍛え、医学部の学生時代にはバイクで南米諸国を放浪旅行します(映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』)。

 卒業後は医師をしながら再びアメリカからの自立を目指す中南米諸国を放浪する過程で、社会主義の考え方を形成します。カストロともやや、そしてソ連共産党とも異なる彼流の思想―1人ひとりの人間を徹底的に愛する人間愛の社会主義、そして他人や共同社会のために働くことを喜びとする理想主義―を持っていました。彼の批判の眼はソ連共産党にも向かいます。映画は世界情勢や理論面は深追いしないで、死して益々人々を惹きつけるゲバラの人間像に焦点を当てた伝記的な2部作です。前後編合わせて4時間半という大作に圧倒されて、試写会場いっぱいの観客は終わってもしばらく立ち上がれませんでした。

 第1部「チェ 28歳の革命」は、キューバ革命を成功させるまでの伝記です。チェは28歳の頃、キューバのバティスタ軍事政権の打倒を目指すカストロに共鳴して、メキシコから82人の同志とともに小さな船でキューバに渡りますが、着いた途端に攻撃され、仲間は10数人にまで減ります。そこから、山中に逃れて軍政で貧しい農民の味方を増やしつつ2万人の政府軍を追い詰めてゆきます。徹底して農民を尊重し、医者として敵味方を問わず精魂を傾けて治療し、自分の身の危険を冒してまでも負傷兵を見捨てず、兵士が休息している間は書物で勉強し、読書きのできない兵士には個別に教え、戦いには自ら先頭に立つ姿は次第に皆の尊敬を集め、類まれな統率力を発揮してゆきます。ポイントとなる都市サンタクララの戦いでは司令官を任され劇的に勝利し、歓呼する市民に迎えられます。首都ハバナに向かって進撃する路上、自軍の赤い車を目にします。それは敵軍の兵士から奪った車でした。さてゲバラは、……。

 ゲバラが1965年に国連で行った演説が随所に挿入されていますが、評価は分かれるかもしれません。

【映画情報】
【製作】:2008年 スペイン/フランス/アメリカ
【時間】:132分
【原題】:Che: Part One
【監督・撮影】:スティーブン・ソダーバーグ
【製作】:ローラ・ビックフォード/ベニチオ・デル・トロ
【製作総指揮】:アルバロ・アウグスティン/アルバロ・ロンゴリア/ベレン・アティエンサ/フレデリック・W・ブロスト/グレゴリー・ジェイコブズ
【脚本】:ピーター・バックマン
【上映館】:1月10日より全国で公開
公式サイト

 
                                                           

 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]