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映画『シロタ家の20世紀』


                                                           
H.T.記

ベアテ・シロタ・ゴードンさんは、GHQの一員として日本国憲法の草案作成に関わり、男女平等の条文(24条)を起草しました。ベアテさんの父レオは、全ヨーロッパの楽壇で世界的ピアニストとして演奏会を展開していましたが、1929年からは日本で17年間、ピアニストの育成と演奏活動で、日本の楽壇に貢献しました。ベアテさんはレオと共に過ごす中で戦前の日本女性の姿に深く心を痛めて育ちました。24条にはその思いが込められています。ベアテさんは、最近15年は毎年のように講演のため来日し、日本女性の地位向上と、憲法に込められた世界平和への理念を精力的に訴えています。今年5月幕張メッセ等で開催された9条世界会議にも参加されました。

この映画は、ベアテさんの活躍を記念してシロタ家の人々の歴史を綴るドキュメンタリーです。戦争と迫害の20世紀の縮図とも言えるシロタ家のそれぞれの人生の記録とともに、戦争の絶えない現状を憂い、日本国憲法の精神が広まることを願うベテアさんの平和への悲願が語られています。「ベアテの贈りもの」に続く、藤原監督の作品です。

 シロタ家は、ロシア領だったウクライナのカミェニッツ・ポドルスキの出身です。かつて多くのユダヤ人が住んでいましたが、たび重なるユダヤ人迫害と第2次世界大戦中のホロコーストによって、今はかつての8割がいなくなりました。シロタ一族は19世紀末、迫害を逃れてキエフに移りました。そこでベアテさんの父親たち5人の兄弟姉妹は、みな芸術を志し、史料館に残された音楽学校の学籍簿は、彼らが非常に優秀だったことを物語っています。卒業後はワルシャワに、ウィーンに、パリにとそれぞれの大都会でめざましい活躍をします。

 レオは日本に渡りましたが、ヨーロッパに残ったシロタ一族は、ナチの台頭と第2次世界大戦で、悲劇的な最期をとげます。レオの弟のピエールは、音楽プロデューサーとしてパリで大活躍し栄光を手にしますが、アウシュヴィッツに連行され、命を落とします。長兄ヴィクトルはワルシャワで政治犯として行方不明となります。日本のレオにも官憲の目が光っていました。

 今、スペインのカナリア諸島、グラン・カナリアのテルデ市にあるヒロシマ・ナガサキ広場には、ベアテさんの想いを受け継ぐかのように、スペイン語で書かれた日本国憲法9条全文の碑が掲げられ、市長は「あの条文は世界の希望です」と語っています。

 なお、法学館憲法研究所は、ベアテさんの発言映像も紹介している『9条世界会議DVD』を下記のとおり放映します。ご参加をお待ちしています。
【日時】10月7日(火)18:30〜 
     10月18日(土)18:30〜 
【会場】伊藤塾東京校(上映教室は当日の案内でご確認ください)
<予約不要・入場無料>

【映画情報】
製作:2008年 日本 レオ・シロタ製作委員会・日本映画新社
監督:藤原智子
時間:93分
上映館:東京・岩波ホールで公開中(10月17日まで)
公式サイト

 
                                                           

 

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