法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>

 

映画『クラッシュ』


                                                           
H.T.記

 冬、クリスマス間近のロサンゼルスの24時。深夜のハイウェイでロス市警察の黒人刑事グラハムと同僚でスペイン系の恋人のリアは、交通事故に巻き込まれます。車から降り立ったグラハムは、偶然事故現場脇で発見された、若い黒人男性の死体の捜査に引きつけられます。

 この事故が起きる前日からの36時間の様々な出来事が差しはさまれています。自分の店が度々強盗に遭うことから銃砲店に銃を買いに行ったところ、イラク人に間違われるペルシャ人の雑貨店主。肌の色の違いで差別されることにいらつき白人から強奪した車で逃走中、韓国人男性を轢いてしまう若いアフリカ系黒人の2人組。娘想いのヒスパニック系鍵の修理工と彼を不審者扱いする白人地方検事の妻。人種差別主義者のベテラン白人警官に屈辱を受ける裕福な黒人TVディレクターとその妻。さまざまな人種・職業・階層の多く登場人物たちが、思いもよらない角度からの“衝突”の連鎖反応を繰り広げ、それぞれの人生が翻弄されてゆきます。愛を交わしつつも、憎しみをぶつけ合い、哀しみに打ちひしがれ‥‥。

 幾重にも重なるすさまじい人種差別。そして不寛容、嫉妬、恐怖。もう救いがたいのか。しかしそれは多分に、無知、無理解、先入観、偏見に基くことが示唆されます。人間には単純に善人と悪人がいるのではなく、両面を複雑に持ち合わせていて、両者の垣根は低いことが画面から伝わってきます。白人からもペルシャ人からも差別を受け難癖をつけられるヒスパニック系修理工の耐える姿勢や人種差別主義者の白人警官のその後の優しさなど、多くの印象的な場面も繰り広げられます。他人を信頼することがどれほど大切かを感じさせてくれます。

 この作品は『ミリオンダラー・ベイビー』で脚本家デビューを果たしたポール・ハギスの監督デビュー作です。大ヒットし、05年のアカデミー賞で作品賞・脚本賞・編集賞を受賞しました。大変な差別社会でありながらもそれを乗り越えて未来への希望を感じさせてくれる、奥深い作品です。

【映画情報】
製作:2004年 アメリカ
監督/原案:ポール・ハギス
原題:CRASH
時間:112分
出演:サンドラ・ブロック/ドン・チードル/マット・ディロン/ジェニファー・エスポジト/ウィリアム・フィットナー
DVD:3121円
公式サイト

 
                                                           

 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]