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映画『パッチギ!LOVE & PEACE』


                                                           
H.T.記

 井筒和幸監督による『パッチギ』が上映されてから2年半経ちました。これは1968年の京都の朝鮮高等学校の番長・アンソンとその妹キョンジャを中心とした青春群像劇でした。「パッチギ」とは、ハングルで「突き破る」「乗り越える」を意味します。今回、俳優陣を一新して、その続編ともいうべき映画『パッチギ!LOVE & PEACE』が上映されています。

 「パッチギ」から6年経った1974年の東京。アンソン(井坂俊哉)は、筋ジストロフィーという難病にかかった幼い息子チャンスの治療のために、キョンジャ(中村ユリ)と一家を連れて東京でサンダル工場を営む叔父夫婦のもとに引っ越してきました。そこは、関東でも最大規模の在日コミュニティーが存在する江東区枝川でした。大人になった彼らはさらなる厳しい現実に立ち向かうことになります。

 息子のチャンスは日本では助かる手立てがないと宣告されたアンソンは、アメリカでの治療にかかるばく大な費用を稼ぎ出すため、無謀とも思える計画を立てます。国鉄(当時)職員の新しい友人佐藤との固い友情で、危険な仕事へと突っ走ります。どんな情況に置かれても生き抜くという強い気迫に圧倒されます。

 一方キョンジャは、チャンスの治療費を稼ぐためと新しい世界を見たさにタレントとしての仕事を始めます。「在日朝鮮人」という血に誇りを持ちつつもそれを隠し、日本での生きにくさを痛感せずにはいられなくなります。そんなキョンジャにやさしく声をかけてきたのが、若手人気俳優の野村(西島秀俊)でした。その純粋な人柄に、キョンジャはひかれてゆきます。

 やがて、日本の特攻隊を扱った映画にキョンジャの出演が決まります。そのエピソードの合い間に、アンソン・キョンジャ兄妹の父親がアジア・太平洋戦争の時に日本軍に徴兵された凄絶な体験談が挟まれます。目を盗んで脱走し、南洋諸島で泥まみれになって逃げ、地を這うように生き抜いた父親の姿……。戦争は絶対悪であるという、井筒監督の信念がひしひしと伝わってきます。

 前作もそうでしたが、在日朝鮮人に対する植民地支配の歴史、民族「差別」とそれを乗り越える愛、そして何よりも生き抜くことの素晴らしさを力を込めて描いた爽快な物語です。「国家」とは何か、「国民」とは何かを考えるヒントもつかめるでしょう(6月16日開催の浦部法穂先生による「世界史の中の憲法」では、「国家と国民の歴史」を採り上げます。オンライン受講はこちら)。

【映画情報】
製作:2007年 日本
監督:井筒和幸
時間:127分
出演:井坂俊哉/中村ゆり/西島秀俊/藤井隆/風間杜夫/手塚理美
上映館:全国各地で公開中
公式サイト 

 
                                                           

 

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