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映画「不都合な真実」


                                                           
H.T.記

 地球温暖化を実感させる暖かい冬(もう春?)が続いています。地球温暖化は、今や市民が共有する問題意識となってきた、といってよいでしょう。しかし、地球規模での対策は甚だ遅れています。
  
地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO2)等の排出削減を決めた京都議定書が議決されてから10年が近づいています。議定書では先進国における削減率を各国別に定め、共同で約束期間内に目標を達成することが決まりました。しかし、最大の排出国アメリカでは、自動車・電力などの業界からの反対を受け、クリントン政権は批准しませんでした。ブッシュ大統領もこの政策を引き継いでいます。クリントン政権の副大統領として批准を推進したアル・ゴア副大統領は、ブッシュ氏との大統領選に敗れました。

この映画は、1989年から世界で1000回以上も地球温暖化への取組の緊急性を講演で訴えてきたゴア氏の活動を追ったドキュメンタリーです。CO2の削減に反対する国や人々は、その理由を、CO2の増加と大気の温度の上昇の因果関係が科学的に説明されていないからと主張しています。映画では、その因果関係をグラフや最近数十年の地球のさまざまな変化の映像で繰り返し対比して説明し、専門家の間では最早異論はないとしています。

ゴア氏は、著書で、CO2の削減が進んでいない理由について解説しています。「温暖化に関する真実は、一部の力の強い人々や企業にとって特に不都合であり、歓迎せざるものなのだ。そういった人々や企業は、地球をいつまでも住める場所にするには、自分たちに巨額のお金を儲けさせてくれている活動を、大きく変えなくてはならない、ということを十分に承知しているのである」(ランダムハウス講談社「不都合な真実」284頁)(マガジン9条「伊藤真の憲法手習い塾第39回」)。

 EUは、2010までに京都議定書で決めた目標達成は確実と見られています。炭素税などでCO2の削減を牽引しています。
 日本はどうでしょうか。削減どころか、逆に8%増加させています。日本は、批准はしたものの、企業の利潤追求を優先し、温暖化防止のための長期的な目標と総合的な政策を持てないでいます。
 もっとも、この間の憲法改正論議では、環境対策を推進すると称して環境権を憲法で明文化することが強く主張されています。しかし、本音である現実の施策を見れば、明文化は改憲を誘導するための単なる「アメ」であることは明白です。環境権は憲法13条(個人の尊重・幸福追求権)や、25条(生存権)で既に保障されています(浦部法穂「憲法の本」114頁)。現在でも十分可能な、環境保護の中心的な課題である温暖化対策が緊急に求められています。映画は、「真実」を直視し、温暖化防止のための政治的な行動が必要であることを呼びかけています。

【この映画に関する参考情報】
 今週の一言 鎌仲ひとみ「地球環境をお金で換算すれば」                    
 国立環境研究所「地球環境研究センターニュース」(PDF)

【映画情報】
制作:2006年 アメリカ
監督:デイヴィス・グッゲンハイム
時間:96分
出演もしくは声の出演:アル・ゴア
上映館:全国にて公開中
公式サイト

 
                                                           

 

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