法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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<『憲法の本』出版記念の集い、浦部教授の講演に反響>

2005年6月20日
当研究所が6月11日(東京)、7月31日(大阪)に開催した『憲法の本』出版記念の集いには多くの方々にご参加いただきました。集いでの浦部法穂教授の講演に対して多くの感想が寄せられましたので、いくつかご紹介します。

【浦部法穂教授の講演への感想<6月11日(東京)>】


私自身、つい最近から憲法を学び始めた身でありまして、憲法とはいかなるものなのか等全く知りませんでした。今日本では様々な動きがありますが、そのどれもが憲法に関わる重大な事だと知った本講演、とても有意義でした。


現実を多面的にとらえていく姿勢を学んだ。憲法改正についても国やメディアからの一方的な考えに流されてはいけないと思った。


現実主義というものを考える機会になりました。僕は今まで、現実はいま世の中で起こっている事実と達成可能である未来を考えるもので、達成しにくいものは理想という名の空想だと思っていました。空想はあくまで空想でしかなく、理想を現実の一部としてとらえきれていませんでした。現実は多面的であり、確かに既成事実も現実の一部だが、一部でしかない。今夏はそれに気がつかされました。


現在の「改憲論」が権力者と国民との関係を根本的に変えようとする動きであることがよく分かりました。「古くなったから変えてみようか」という雰囲気があるなかで、論理的な話をきくことができ、有意義でした。


現在の「改憲論」が政治体制を変える“革命”とさえ言えるとの指摘に、現在の「改憲」の流れの重大性を実感しました。これまでと同様の、単なる“保守化”“反動化”ではないという視点を再度確認しなければならないと感じました。日本は軍事でない国際的貢献ができる力がある、その力を使わないのはとてももったいないと思います。自分自身もそういう力があるのだと信じてがんばりたいと思います。(主婦)


現在の改憲論が憲法の条文の改定にとどまらず、法の支配、近代立憲主義に対するクーデターであるとの指摘に背筋が冷たくなった。(司法書士)


大変すばらしい講演でした。改憲派(自民、民主、公明)の目指しているものが(私自身が今までボンヤリとしていたのですが)明確になりました。ネットで友だちにも広めます。


私は憲法を一通り学んで、憲法が唱える、基本的人権、国民主権、平和主義という諸原理や、そこから派生する各権利が人として生きる上で、あるいはたくさんの人と争うことなく幸せに共存する上で、とても重要なものだということを実感した。人間らしく生きること、あたたかい社会・他人との繋がりを維持すること、平和であることがいかに素晴らしいことであるか、それらを覆しかねない「新憲法制定」論には、浦部先生と同じく真っ向から異議を唱えたい。


9条2項の削除などの改憲は絶対に行うべきではないという“思い”を再確認しました。いま、個人として何ができるか、考えてみたいと思いました。(会社員)


地球的な視野で、歴史認識をふまえ、多元的に現実を見すえて、今こそ「人間の安全保障」への実現に向け、日本国憲法の意義を、まずは身内の者から、今日電話で話してみます。ありがとうございました。


「9条」「日本国憲法」について大変わかりやすかったです。なぜ戦争をしないのか。約60年前の憲法制定と今の国際的な潮流である人間の安全保障が結びつくのに心を動かされました。(会社員)


改憲の動きの抉り出すお話は論旨明快で整理できました。安全保障の認識の転換(軍事による国家的安全保障 → ヒューマンセキュリティ)は九条堅持を求めていく上で勇気づけられました。(自営業)


すごくためになりました。もっともっと勉強したいと思いました。分かりやすく、もっと聞きたかったです。話に感激しました。(大学生)


【浦部法穂教授の講演への感想<7月31日(大阪)>】

すごく聞いていて楽しかったです。特に、憲法の今の状況、これからの選択等、わかりやすくて、とてもよかったです。というのも、正直、今の憲法の論議について、いまいちわかっていなかったし、「改憲」への本音を知ることができました。憲法のプロの方に講演していただいて素直に聞くことができました。


平和主義をつらぬくことが理想ではあっても現実味がないという論調の多い今日、目からうろこの思いで、多面的な現実をみる目を持つ重要性に気付かされ大変、有意義でした。


すごく刺激を受けた。新聞を見てるだけではよくわからない出来事の本質をふまえて、改憲論者の意図を教えていただけたので、いい視点を持てそうです。何より、浦部先生の視点の大きさ、地球全体への愛情に感銘を受けました。これからもがんばってください。物事の解決に近道はないということ、僕も同様の気持ちを持っています。


「軍事化」の現実、「非軍事」の現実…。どの現実を今の自分達が選択するのかということが重要であるという話が印象に残りました。


現実の多様性という視点を示してもらえて、非常に意味がありました。この視点からだと、日常の会話でも身近な人に憲法の話をしやすいと思います。


自分も憲法をちゃんと勉強するまで憲法の意味が全然分かっていなかった。大学まで出て、それなりに教育を受けてきて、一度も憲法の本質が権力を抑制することにあると教わらなかった。でも、勉強してからは、それ以後、新聞やニュースを見る視点が変わったと思う。今日の話を聞いて憲法のことをちゃんと勉強してからは、理解することが本当に大切だと感じた。だから、そういう事をなるべくいろいろな人と話をしようと思った。


改憲の動きに対する漠然としていた恐怖が、浦部先生の具体的なお話で、人に説明できるくらい確実な内容となりました。講演に参加してよかったと思います。


私は現在、大学一年生で、法律については勉強を始めたばかりなのですが、今日の浦部先生のお話は初学者の私にも、とても理解しやすく参考になりました。国際的な視野での捉え方など、多面的な物の見方の大切さを学びました。これからも色々なことを考えていきたいと思います。


浦部先生の解釈は、とてもリベラルで熱いものが多いので、一度お話を伺いたいと思っていたので、うれしかったです。改憲議論の私が知らなかった本質に踏み込んだお話はなるほどなーと思いました。こういう考えを広くしらしめていくのは大事だと思ったので自分なりに頑張ってみようと思いました。


現実を一元的にしか見ず、現状に甘んじるという傾向は私自身かなり思い当たるところがあり、私は典型的な日本人だなと思いました。近年見られる憲法改正の動きについて、その問題の幸造を憲法の根本にある考え方と絡めて丁寧に分かりやすくご説明いただき、その問題につき理解を深め興味をさらに抱くことができました。ご講義、本当にありがとうございました。


「現実」をどう見るか、という観点には感銘を受けました。多様な現実から何を現実と見て、それを選びとり、私たちが現実を作り出すということが必要であると強く思いました。「憲法は権力を縛るためのものだ」ということこそメディア等はわかっていないと思っておりました。


日本人の「法に対する捉え方」についてのお話、とても説得的でした。論文では「国民主権」をしょっちゅう書いているのに、私も実際は全然違うんじゃないか、といつも思ってしまいます。


「憲法が権力を拘束するもの」これは憲法を伊藤塾で学ばせていただいた時に初めて聞いたことですが、そのことの理解の薄さを再認識するとともに、理解を深めることができました。本日の講演を通じて、現在の新憲法制定論議について、一市民として何をしなければならないか、その行動のきっかけとなりました。


憲法の意味について、私も伊藤塾で講義を聴いて初めて知った(認識した)。そして今、自民党が改憲の動きの中で、憲法について、それと異なる位置付けをしていることを知り、驚いたところで、それが何故なのか、歴史的背景、他の国における状況の説明で理解することができた。次に、「現実」をどう捉えるべきかということで大変参考になりました。


<「戦後60年のいま、憲法を学び広げる映画と講演の集い」(7月31日、大阪)での浦部教授への質問と回答>

当日参加者から出された主な質問と浦部教授の回答です。

【Q】本来、国家権力を制限するはずの憲法を、権力を握っている者が何でもできるように憲法改正しようとしている現在の憲法改正の案は改正の限界に当たらないのですか。
【A】自民党や民主党の「改憲」論は、「憲法制定権力」を「国民」から「国民の代表」が奪ってしまおうとする議論にほかなりません。それは当然に現憲法をトータルに否定し「新憲法」を制定するという議論になります。日本国憲法99条は国会議員にも憲法尊重擁護義務を課しているわけですから、その国会議員によって構成される国会に現憲法を否定するような「改正」の発議権があるとは解しえません。つまり、憲法96条はそのような憲法の変更を「改正」としては予定していないということです。その意味で現在の「改憲」の動きは「改正の限界」をこえるものだといえます。

【Q】先生が仰るように、私も憲法は「国家権力を拘束し、国民の権利・自由を守る」ものだということが国民に浸透していないと思います。私はその理由として、権力にとって都合の悪い憲法をあまり国民に教育すべきではないという政府(殊に文科省)の意図があったのではないでしょうか? 先生のお考えをお聞かせください。
【A】教育の力は、たしかに重要です。憲法をないがしろにするような教育が政府によって進められてきたことも一つの理由でしょう。ただ、現場の先生方の中には、人権・平和・民主主義の価値を熱心に説いておられる先生も少なくありません。政府の意図は意図として、それに抵抗・対抗する一人ひとりの行動こそが重要になります。政府が悪いと言っても、そういう政治を許しているのはほかならぬ私達自身なのですから。

【Q】東京都の学校を中心に、国歌を卒業式などで歌うことが強制され、国歌のピアノ伴奏や国旗の掲揚を拒否する教師が懲戒免職されるというニュースがありました。これはやはり、思想良心の自由を侵害する行為だと考えるのですが、先生の見解をお聞かせください。
【A】「日の丸」「君が代」の強制が思想良心の自由の侵害であることはいうまでもありません。「国旗国歌法」が制定されたとき、政府は「強制するものではない」ということを明言しています。にもかかわらず、いつの間にか「君が代」は「国歌」なのだから学校行事で斉唱するのは当然だといった意識が、一般の人々の間にも浸透しつつあります。それと意識せずに「長いものに巻かれ」てしまう日本的体質を、ここでも感じざるをえません。

【Q】非軍事の「人間の安全保障」の取り組みの重要性はよくわかるのですが、世界でテロをおこしているような人間に対してどのように対応すべきか、日本国憲法の平和主義の理念がそれに役立つのか、などについて説得力のある説明ができません。
【A】いまブッシュ政権がやっていることも、逆の立場の人々からみれば「国家テロ」にほかなりません。イスラム過激派のやっていることは「テロ」で、そのようなテロの脅威に対して断固戦うべきだ、という論理は、逆の立場からいえば、アメリカのやっていることは「国家テロ」にほかならず、そのようなテロの脅威に対して断固戦うべきだ、という論理になります。これでは、ますます暴力の拡大をもたらすだけでしょう。その愚かさに気づくべきです。そうすれば、日本国憲法の平和主義はきわめて「現実的」な方向を指し示しているということが理解されるはずです。



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