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今週の一言

 

日本は主権国家でしょうか?
〜沖縄からは日本の姿がよく見える

2013年9月16日



知花一昌さん(真宗大谷派僧侶)



 安倍内閣は今年の4月28日に政府主催の「主権回復記念式典」を憲法記念会館で開催した。しかも主権者ではない天皇が出席し、首相を含めた参加者が戦前回帰の「テンノウヘイカバンザイ」を三唱したのだ。滑稽な風景だが、笑ってはいられない。
 4・28は太平洋戦争に負けた記念のサンフランシスコ講和条約が1952年発効された日であり、北方4島をソ連に譲渡し、沖縄、奄美、小笠原をアメリカに植民地として奪取された日本国として「屈辱の日」以外のなにものでもない。北方領土返還運動をやっている勢力や、右翼勢力や、日本国民として自覚している人たちはどうして「主権回復記念式典」に異議を申し入れないのだろうか。沖縄、奄美だけが異議を表明したことは悲しいことだ。それとも「屈辱」を味わったのは沖縄と奄美だけだから、天皇メッセージにある「日本国民はそれを容認するでしょう」とするのだろうか。
 同時に発効した日米安保は米軍=外国軍に治外法権の特権をあたえており、「主権」どころか屈辱的主従関係に陥った日なのだということを日本の多くの国民は知る必要がある。
 主権とは「その国家自身の意思によるほか、他国の支配に服しない統治権力」とある。
 日米安保条約は、米軍基地施設内の管理を米軍に一任しており、基地内で起こる犯罪や基地外=民間地域で起こる犯罪も基地施設に逃げ込めば日本の警察は手出しができない。 
 2004年8月、沖縄国際大学構内へのヘリ墜落事故は間違いなく日本の民間地域であるにも関わらず、事件現場を仕切ったのは米軍であり、日本の国家権力=警察さえ現場に入れず、事件調査もできず、被害補償も日本政府が全額支払うなど「屈辱的状態」である。日米安保の米軍は日本国憲法よりも上位にあり、沖縄から見ると「日本の主権回復記念」などおかしい話であり、日米安保を破棄してから「主権回復うんぬん」は言ってもらいたいものだ。安倍首相の本音は、1952年以前に作られたものは主権が回復してない時期に作られたものだから無効だと言いたいのだろう。いわゆる教育基本法、日本国憲法である。教育基本法はすでに変えられた。第2次安倍内閣では、すくなくとも集団自衛権行使を明確にし、9条を骨抜きにすることだろう。日本国民の平和を願う真価が問われることになる。
 沖縄に居ると、民主主義とは何だろうと疑問が起こる。多数決だと少数派はいつも悲哀をみる。民主主義の良いところは少数意見を留保することである。少数が無視され、潰されていくのは多数の横暴であり、そこには何らの保証もない。
 オスプレーの強硬配備に対して、県知事をはじめとしたオール沖縄として異議申し立てをしているが安倍内閣は沖縄の声を一顧だにしない。辺野古新基地建設についても同様である。沖縄は日本の1%の位置を占める少数にあり、民主主義や国益(?)と称することで少数の声が潰されるなら、民主主義や99%の国家を拒否するしかない。
 今、沖縄では「独立」の声が日増しに強くなっている。悲しいことではあるが現実である。

知花一昌さんのプロフィール

1948年5月  沖縄読谷村生まれ
1969年4月〜1975年  沖縄大学法経学部中退
1977年9月〜2000年  食品スーパー経営
1983年8月  チビチリガマ「集団自決」調査
1987年10月  沖縄国体で日の丸旗焼却
1995年10月  懲役1年執行猶予3年の有罪
1996年4月  米軍基地「象の檻」の立ち入り
1999年9月〜2010年9月  読谷村議会議員
2012年4月  真宗大谷派僧侶(僧名 知花一昌)

著書
1988年10月 「焼き捨てられた日の丸」
1996年3月 「燃える沖縄揺らぐ安保」
1996年12月 「我肝 ウチナー」共著
2004年8月 「抵抗者たち」共著

関連書
1984年   「南風の吹く日」下嶋哲郎(チビチリガマ調査報告書)
1994年2月 「天皇の逝く国で」ノーマ・フィイルド




 
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