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手応え感じる福島原発告訴団運動 ― 99%が連帯し、無責任の時代に終止符を

2012年11月12日



地脇聖孝さん(福島原発告訴団) 

 福島原発事故以来、今日まで、福島は避難や除染、賠償などをあらゆる場で今も要求し続けている。しかし、事故からもう1年半も経つのに今なお多くの住民が高濃度汚染地域にとどまる。除染は汚染土の仮置き場が見つからないため頓挫しており、賠償も遅々として進まない。
 政府、自治体、東京電力の誰もが自分を加害者だと思っていないことが背景にある。福島県二本松市のゴルフ場との間で争われた訴訟で、東京電力が放射性物質を「無主物」だと主張したことは、その最もわかりやすい例である。デモなどで街頭に出て要求を叫ぶ運動を1年間続けてきた私たちだが、「このままでは何も進展しない。加害者にこそきちんと責任を取らせるべきだ」ということを改めて強く感じた。

 ●敵を名指しして闘う

 福島原発告訴団による告訴・告発運動はそうした問題意識から始まった。原発事故による被曝を傷害罪と捉え、原発事故の直接的原因を作った加害者33人(東京電力15人、原子力安全委員会など政府関係者15人、御用学者3人)を業務上過失致傷罪などに問うことを目的として、告訴団は、わずか3ヶ月で1324人(第1次)、10849人(第2次、2012年11月1日現在)もの告訴人を集めた。みずからも被曝しながら業務に当たらざるを得ない福島の捜査機関ならこの告訴を黙殺はできないだろうとの思いから、告訴先に福島地検を選び、6月11日に告訴状を提出、8月1日、検察に告訴を受理させるところまできた。
 「誰と、どのようにして、何を求めて闘うか」をはっきりと打ち出すことが運動には最も大切であり、敵を明らかにすることなくして要求を勝ち取ることはできない。原子力に象徴される総無責任体制の利権ムラと闘う場合はなおさらである。避難、賠償、除染…福島県民は実にさまざまな要求を持っているが、そのどれにしても、加害者に怒りをぶつけ、彼らに対して自分たちが加害者、犯罪者なのだとわからせなければスタートラインにすら立てないことに私たちは気づいたのである。

 ●99%をひとつに


福島原発告訴団団長武藤類子さん

 告訴団は、その結成宣言で『政府が弱者を守らず切り捨てていくあり方そのものを根源から問うこと、住民を守らない政府や自治体は高い代償を支払わなければならないという前例を作り出すこと』が目的であると表明し、そのために『政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯し、ともに闘っていきたい』と決意を述べている。3・11以降、多くの市民が政府や企業に疑いを抱いている。水俣病の写真展や講演会が福島で開かれ、東京大空襲で満足な賠償を得られなかった人たちまでが福島入りし、一緒にできることがないか模索する動きも始まっている。ある若者は私にこう言った――「最近、何と闘っていても最後に必ず経団連が出てくる」。
 虐げられてきた市民が、自分たちを苦しめる共通の敵を発見し、それと闘うために手をつなぎ始めた。ウソと隠ぺいと金で続けられてきたこの国の支配体制が、今まで誰も経験したことのないレベルで大きく揺らぐ。告訴団結成宣言が高らかにうたい上げた決意は実現に向けて確実に進んでいる。私たちの役割は、虐げられてきた人たちをしっかりとひとつにつなぐこと。そして最終目標は、政府や企業が犯罪を実行しながら逃げ回り続け、責任を取ろうとしなかった「総無責任の時代」に終止符を打つことである。

 ●第1次、第2次とも目標を達成

 第2次告訴団がわずか3か月あまりで目標の1万人を超える告訴人を集めたことは、敵を明らかにして闘うことが被災者の要求であること、告訴団運動が他の運動に比べて優位性を持っていることを示した。多くの市民が、権利は法文の上にあるのではなく、それを実体化しようとする営み、闘いの中にこそ存在するのだということを再認識したのではないだろうか。
 第2次告訴人の受付は10月31日をもって締め切られた。参加いただいた多くの人に、この場をお借りして改めてお礼申し上げたい。なお、第2次告訴状の提出は11月15日に行われる。

告訴団のブログはこちら

◆地脇聖孝(ちわき まさたか)さんのプロフィール

福島県西郷村に2007年から居住。福島県民・避難者が政府・東京電力関係者や御用学者など33人の罪を問う「福島原発告訴団」の第1告訴に、1324人のひとりとして参加。





 
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