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今週の一言

 

低年金高齢者の貧困

2012年5月7日


芝宮忠美さん(全日本年金者組合東京都本部年金相談室長)

政府・与党は「社会保障と税の一体改革」は社会保障の充実のためと宣伝しています。
しかし、現在のような「国民年金」は満額の40年掛けても月65,541円でとても生活できません。
さらに追い打ちをかけるように消費者物価指数下落で、昨年4月からの年金支給を0.4%削減し今年の4月からの0.3%の削減も決定されました。
一体改革として、過去2000年からの10年間分として、年金受給者に支給した金額(特例水準)が本来水準よりも、2.5%多く支給したとの理由で今年の10月から3年をかけて減額する案が提出されました。その後に「マクロ経済スライド」発動で毎年0.9%減額が導入される予定ですし、また2015年までに消費税を5%アップの10%にする閣議決定も成立しました。

私は、東京都足立区の入居者の多い(860世帯)南花畑第三都営住宅に妻と2人で住む年金受給者です。最近、よく報道される孤立死(孤独死)に10年以上前から取り組んでいます。
この都営住宅の平均年齢は75歳を超え、生活保護世帯も50%を超えました。
そこで10年前から、住宅住民の70歳以上の1人世帯に「黄色い旗」を渡し、朝起きたら「ベランダ」に掲げてもらうようにしました。各団地棟の3ブロック別に私を含めて3人で確認に回り、「旗」のない者を訪問しています。おかげで10年の間、孤独死なしとなりました。これからも続けて行きます。

都営住宅の低年金者対策として、偶数月の13日と14日の2日間、100個の無料弁当を配布しています。年金は偶数月の15日に2ヶ月分支給されますが、直前の1、2日前に私の家に「お米」を借りに来る人が多かったです。そこで、1年前から私が所属している「全日本年金者組合東京都本部」に呼びかけ、私宅に「お米」を東京各地から送っていただくようにしました。おかずは、安い塩鮭(50円)と梅干、それに近くの酒屋さんに協力してもらい廃棄する「おから」をいただき、それを調理して作っております。私は「年金アドバイザー」をしていますが、消えた年金「5000万件」の発表以来、4年間で150人以上の年金の「裁定」、「訂正」で年金を取り戻しました。その人達にボランティアとして助けていただいています。

このような取り組みでも、最近、足立年金者組合員で低年金の為、医療費が無く手遅れで1人死亡しました。さらに夫婦2人で10万の国民年金の受給者が妻に先立たれ、月5万では生活ができないと、私の住んでいる団地の5階から飛び降り自殺をしました。私はその方に、生活保護を受けたらどうかと勧めましたが「お上の世話にはなりたくない」と話していました。「年金は、長年自分で払ってきたお金だという思いが強いが生活保護は違う」と言っていました。
生活保護費は月75,000円程度で、住宅扶助もあり、医療費もかからないので安い所なら何とかやっていけますが、国民年金(基礎年金)だけの人達は非常に厳しいのが現状です。

私は約7年間スウェーデンに在住し、かの国の「最低保障年金」(1999年成立)」や消費税を詳しく勉強しました。この国は「高福祉・高負担」です。日本は「中福祉・高負担」だと思います。

◆芝宮忠美(しばみやただよし)さんのプロフィール

1942年栃木県佐野市生れ。同志社大学法学部を40年に卒業後、ホテル業界に就職し52歳〜60歳の間スウェーデンに在住。60歳で定年後「全日本年金者組合・都本部年金アドバイザー」として現在に至る。

* 当研究所の連続講座「生活と憲法」(講師:浦部法穂・法学館憲法研究所顧問=神戸大学名誉教授)が5月19日に開講となります。こんにちの国民の生活を憲法の視点で見つめる機会になります。




 
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