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植木枝盛の書斎を保存する

2010年12月6日

窪田充治さん(「高知市立自由民権記念館友の会」会長)


植木枝盛邸

 この一年はNHKの「龍馬伝」に揺さぶられた一年でしたが、私たちは、日本の歴史の中で大切なのは、「龍馬伝」よりも、国会も憲法もないままの明治初期に、「早く国会をひらけ、憲法をつくれ」と民主主義の土台を作る大きな運動を展開した自由民権運動が、はるかに重要な意味をもつと考えています。その自由民権運動を象徴する植木枝盛が「東洋大日本国国憲案」を書いた「枝盛旧邸」が老朽化し、高知県も高知市も、これまで何の対策も立てないままに、遂に解体されることになりました。そこで関係者が相談のうえ、憲法草案を書いた旧邸の書斎だけでもゆずり受け、高知市立自由民権記念館に移築・復元することになりました。この際、私たち「友の会」も「植木枝盛旧邸を保存する会」とともに募金活動を始め、行政のみなさんと共に協力しながら、この移築事業が成功するよう、また自由民権運動の研究と顕彰に少しでも貢献できるよう、微力を尽くす決意をしております。全国の研究者をはじめ関係の方々の御協力、御支援を心よりお願い申し上げます。

植木枝盛書斎保存募金へのご協力のお願い

高知を代表する史跡、自由民権運動の思想家植木枝盛の旧邸が、築百数十年を経て老朽化が激しく、ついに取り壊されることになりました。
植木旧邸保存運動は1980年代に始まりましたが、家屋の大部分が後世に増築されていて文化財的価値が認められず、土地代も巨額にのぼって現地保存は困難という市の対応を変えられないまま今日に至りました。ここ数年、私たちは、現地保存が無理ならせめて枝盛が実際に使用していた書斎だけでも後世に残すよう市に要望してきたところです。
 今年6月、借家状態が解消されたことを機会に、所有者が解体の決断を下すという新たな事態が生まれました。このため、高知市は、建物の記録保存を行い、書斎部分を自由民権記念館内へ移築・復元して展示する計画に急遽着手しました。事業費は約1,600万円。財政再建途上の高知市が、書斎保存に乗り出した事は大いに評価しなければなりません。
 植木枝盛の書斎は、1881(明治14)年8月に憲法草案を起草し、近代日本政治史に残る数々の政治文書を執筆した歴史的空間です。戦後、枝盛草案が鈴木安蔵氏起草の「憲法研究会案」のもとになり、GHQ案に取り入れられ、現在の日本国憲法に影響を与えたことはよく知られています。
 枝盛草案に書かれた主権在民、基本的人権、地方分権など民主主義の諸原則は、いまの憲法の中にしっかりと根をおろしています。書斎が復元・展示されれば、それは自由民権思想を継承し、子どもたちや市民の憲法学習の場として大きな役割をはたすことになるでしょう。
 この30年近く、私たちが続けてきた植木枝盛旧邸保存運動は、すべてを行政に委ねて事足れりという考え方によるものではありません。高知市が書斎保存に乗り出した今、高知の歴史的遺産である自由民権運動に学び、自由や民主主義の大切さを後世に伝えるため、募金運動を行うことによって一臂(いっぴ)のカを仮したいと決意しました。
 ご協力いただいた募金は、植木旧邸の記録保存、書斎の移築・復元費用の一部として、一括して高知市に寄附します。
 つきましては、この呼びかけにご賛同いただき、是非とも募金にご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

  2010年9月

植木枝盛旧邸を保存する会
高知立自由民権記念館友の会




◆窪田充治さんのプロフィール

1931年、高知県南国市に生まれる。
県内の県立高校教諭をつとめ、1992年3月定年退職。
在職中、高校生の自主活動の指導、教職員組合の役員をつとめ、平和運動、民主主義の諸活動につとめ、現在に至る。




 
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