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憲法9条カレンダー

2010年10月25日

南宏行さん(労働教育センター)

                 

―――労働教育センターが「憲法9条カレンダー」をつくり、普及しておられます。毎年いろいろと工夫したものにしているようですね。
(南さん)

 「憲法9条カレンダー」は2008年版からはじまっています。
 いぬとねこのかわいい写真を中心にデザインしていますが、毎年少しづつ工夫してきました。2008年版は日本国憲法第9条の各地の「お国言葉」を載せてみました。2009年版には9条の精神についての端的でわかりやすいメッセージを、2010年版には9条に関わるトピックを掲載しました。そして、いま普及している2011年版には9条の英訳・中国語訳・韓国語訳を掲載しています。

―――「憲法9条カレンダー」をつくるようになった問題意識をお聞かせください。
(南さん)

 2007年5月に憲法改正のための手続法=国民投票法が制定されました。当時の政権党=自民党が憲法「改正」にむけた動きを強めており、私は大変危機感を持ちました。お笑いタレントの太田光さんが『憲法九条を世界遺産に』という本を出版するなど、憲法への国民の関心が高まっていた時期でしたので、私たちも何かしようと考えました。私は、まずは憲法についての国民の認識を広げることが肝心だと考え、カレンダーをつくることにしました。写真家の岩合光昭が協力を快諾してくださり、いぬとねこの写真を中心にデザインしたカレンダーにすることにしました。

―――毎年多くの方々にカレンダーが普及されているようですが、いろいろと反響もあるのではないでしょうか。
(南さん)
 カレンダーは教職員組合などの労働組合、各地の「九条の会」の方々などにお求めいただいています。なかには10部・20部とお求めになる方もいらっしゃいます。
 2010年版には9条に関わるトピックを掲載しましたが、憲法に関心を持つ仲間の皆さんがそのトピックを素材に議論されたということもお聞きしました。

―――2011年版に9条の英語・中国語・韓国語を掲載することになった問題意識もお聞かせください。
(南さん)
 人類は、第一次世界大戦、第二次世界大戦などを経て戦争を違法化する努力を積み重ねてきました。日本国憲法の平和主義の規定もその流れの中で定められました。日本はこの憲法の内容を世界に広げる必要があると考えたということです。

―――憲法9条については、それを多くの国民が支持していますが、変えるべきとの意見もあります。南さんはどのようにお考えでしょうか。
(南さん)
 憲法の役目は権力者の権力行使に歯止めをかけることにあると思っています。そのことをふまえた上で、憲法9条については、国際社会全体の動向や社会の流れ全体の長期的な展望との関連でとらえる必要があると思います。
 憲法9条は、敗戦後に日本の軍国主義を復活させまいとするアメリカなどの思惑のなかで誕生したという面がありますが、せっかく「戦争放棄・戦力不保持」が謳われたのにそれを手放す必要はないと思います。国際社会全体と見るならば、日本は原爆を投下された国の責任を自覚し、世界平和の実現に向けて努力しなければなりません。こんにちの国際情勢の中で、日本が「戦争放棄・戦力不保持」の憲法の規定をなくすことなく、維持しておくことは、人類史という観点からも重要だと思います。
 憲法9条には理想のようなところがありますが、それを変えてしまったら夢がなくなるようで、私は賛成できません。
 憲法改正のための国民投票法が施行となり、いつの日かに9条「改正」の国民投票が行われようという時代に入りました。私は、その投票で多くの国民が9条をあらためて選び直すことを期待しています。私には、9条カレンダーもそのような国民世論をつくっていくために普及していきたいという思いがあります。そのようになっていけば「面白い」と思っています。

―――9条の意義を広げる活動が各地で多面的に展開されていますが、9条カレンダーもその一つとして更に広がることを期待しています。
 本日はありがとうございました。



 
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